<阪神7-5広島>◇8日◇京セラドーム大阪

 パワーとパワーが重なり、痛烈な打球となった。阪神マウロ・ゴメス内野手(29)が天敵マエケン攻略の口火を切った。

 「追い込まれていたのでストライクを打とうと。深くは考えていなかった」

 3点リードされた3回2死一、二塁。広島前田に2球で追い込まれての3球目だ。こん身の146キロ直球にフルスイングで応えた。打球はワンバウンドし、遊撃田中の顔面を直撃。三塁側ファウルゾーンを転々とする間に2者が生還した。「いいピッチャーだから、打ち崩せたのはみんなにも勢いがつくね」。1点差に迫る2点二塁打がマエケン降ろしの始まりだった。

 打点はこれで大台の80に達した。開幕から1試合を除く全ての試合で4番を務めた。継続がなければ届かない数字。夏バテに加え、長期ロード中は人工芝が続き、疲労は臀部(でんぶ)を中心に蓄積されているという。米国時代はマイナーリーグで過ごした時間が大半で、体をケアする習慣があまりなかった。そのためトレーナー陣は「こちらから声かけをするようにしています」とフォロー。周囲の支えもあり、過酷な8月を1戦1戦戦っている。

 1点リードの7回無死一、二塁では再度集中力をとぎすませた。「ラッキーな部分もあったけれど、点につながって良かった」。今度は外角低めのボール球を左前へ。エルドレッドが後逸する失策を誘い、6点目が入った。マエケンをマウンドから引きずり下ろした。

 「チームにとっても勢いがつく試合になるんじゃないかな」

 マエケン撃ちは勢いを加速させるのにもってこい。集中力とコンディションを保ち、ゴメスは次なる獲物を狙う。【松本航】