<阪神7-5広島>◇8日◇京セラドーム大阪
藤浪よ、8月に熱くなれ!
阪神藤浪晋太郎投手(20)がマエケンに投げ勝って、神宮での投壊現象をも止める、価値ある8勝目だ。失策もからみ3回までに3点を失うも傷口は広げない。中盤は堂々と投げ合い、6回の福留勝ち越しソロを待った。7回を5安打3失点で8奪三振。頼れる20歳右腕の次回は、14日巨人戦(東京ドーム)。熱投の藤浪がいれば、ああ栄冠は虎に輝く!
7回の攻撃中。藤浪はベンチ前でキャッチボールを行いネクストバッターズサークルにまで立った。8回のマウンドに立つ気満々だった。自軍が3点追加したこともあり、この回限りで降板。交代を告げられ、ベンチでレガースを外す表情は悔しそうだった。
藤浪
自分としては行く気満々だったんですけど。暑くなるし、ロードが続く。自分のような若い投手が長いイニングを投げられるようにしたいです。
与えられた勝ちではなく、自分でつかんだと言える勝ち星を増やしたい。2年目の開幕前から口にしていた。広島先発はエース前田だ。価値のある勝利を自分の手でもぎとりたかった。7回5安打3失点も、自責点は1。117球を投げてもまだスタミナは残っていた。マウンドを譲る気などさらさらなかった。
絶好調ではない。だからこそ「勝てる投手」の真価が問われた。直球は抜け、カットボールは引っかけた。1回に打者3人でいきなり失点した。それでも「よく言えば修正ですけど、別の言葉ならごまかしですね」と球種を多彩に使い、投球のタイミングを変えるなど冷静に工夫を凝らした。3回に味方のミスも絡んで失点したが、捕手鶴岡にも導かれてかわしていく。4回以降は苦しむ前田を横目にゼロを並べた。引き出しの多さが光った。
硬いマウンドにも対応した。京セラドーム大阪では今季2戦2敗だった。「立った瞬間に硬いと思った。掘ってから入らないと、と思った」。プレイボール直前に左足の着地点を20回、スパイクで掘った。同じ失敗は繰り返さない。今季からより硬くなった掘れにくい赤土を、できる限り自分仕様に仕立てた。
修正に修正を重ねて対応。これぞもぎ取った勝利だ。自己最長タイとなる4連勝での今季8勝目。前田に投げ勝った。そして8月は、無敵を誇った大阪桐蔭時代から負け知らず…。晋太郎が投げればチームは勝つ。8月の神話はそんな領域まで達しつつある。さあ次は14日、首位巨人が待つ東京ドームだ。その手でもぎ取る勝利を、これから増やしていく。【池本泰尚】



