<巨人1-4中日>◇9日◇東京ドーム

 中日山井大介投手(36)がチームの3大危機を救った。首位巨人相手に7回を5安打1失点で自己最多の8勝目。引き分け以下で自力優勝消滅の危機を回避し、総崩れだった先発陣に13試合ぶりの白星をもたらせた。さらにこの日、左肘の張りで守護神岩瀬が登録抹消され登板過多気味の救援陣は大ピンチに陥っていた。逆転優勝へ、36歳右腕が救い投げで夢をつないだ。

 山井が夢をつないだ。首位巨人の重量打線を7回5安打1失点に抑えた。引き分け以下で自力優勝が消滅したがけっぷちから、チームをすくい上げた。8日に国内FA権を取得した翌日の御礼快投だ。だがヒーローに心からの笑顔はなかった。

 山井

 岩瀬さんもいなくなった中で1回でも長くというより完投、完封する気持ちを前面に押し出して投げました。少しでも中継ぎの負担を減らしたかった。7回で交代は悔しいです。

 守護神岩瀬が左肘の張りで登録を抹消された。すでに浅尾も不振で2軍落ちし、先発連続KOの影響で登板過多の救援陣は大ピンチに陥った。目指したのは9回を投げきること。目標通りゼロを並べていたが、7回小林に浴びた適時打の初失点で継投が最善と判断された。「投げたいと言ったのですが」。チームを思う山井のおとこ気。願いはかなわずとも、魂の120球が巨人を圧倒したことは間違いなかった。

 仲間を反面教師にさせてもらった。前日の巨人戦で先発大野は3発6失点と崩れたが、7回の打席でも代打を送られず「お仕置き」の完投負け。都内宿舎でテレビ観戦していた山井には強く感じるものがあった。

 山井

 見せしめというか、中継ぎのことがあって、負けていても投げさせられていた。明日の先発へのメッセージがあったと思う。ムダにはしたくなかった。

 大野が痛打されていたのはいずれも高め。「だから意地でも低めに投げた」。21アウトのうち17アウトを内野ゴロと三振で奪った。原点回帰の投球で、自身にとっても6月28日阪神戦以来、5試合42日ぶりの白星だ。

 先発が逆転Vのカギと話す谷繁兼任監督も満足そうにうなずいた。「やっとという感じ。山井も久しく勝ってなかったけど、これでチーム的にも落ち着いてくれれば」。自力V消滅、先発総崩れ、岩瀬抹消の3大危機を救った36歳も力強く言った。「次も絶対勝ちたい。1位を目指して頑張ります」。巨人連倒へ、気迫ピッチのバトンを今日の雄太に託した。【松井清員】