<巨人2-1中日>◇10日◇東京ドーム
巨人が後半戦初めて、6カードぶりに3連戦を勝ち越した。原辰徳監督(56)が試合前から選手と積極的にコミュニケーションを取り、4番阿部は適時打を放ち、捕手小林は好リードでアドバイスを即実践した。打線は逆方向へのつなぎを徹底し、3回2死からの3連打で主導権を奪った。チーム一丸で上げ潮に乗せ、明日12日から1・5ゲーム差の2位阪神と直接対決に臨む。
兼任監督が珍しく、バットを投げて悔しがるほどだった。5回2死一塁。大竹-小林の巨人バッテリーが中日谷繁を迎えた。直球とスライダーでフルカウントとなった。8球目も直球で空振り三振。2点リードを保って折り返した。
攻防を見届けた原監督が、戻った小林を呼んだ。2試合続けてスタメンの新人捕手に質問した。
原監督
フルカウントになって、大竹が首を振っていたね。何を要求した?
小林
内角のシュートです。大竹さんが首を振って、外角の真っすぐを。
原監督
その(直球の)選択が正しいだろうね。(次打者が9番の)打順もある。危険を冒して勝負する場面ではないだろう。
身ぶりを交え、時間にして3分。珍しいゲーム中の“講義”だった。「シュートは最後の最後まで取っておこうと思っていた」と明かした小林は、原監督の教えをすぐさま生かした。
ゲームの大局を見て、バッテリーは勝負に転じた。取っておいたシュートを多投した。6回。代打の谷。シュートを4球続け空振り三振。1番大島。シュートを5球続け投ゴロ。2番荒木。シュート3球から入り、最後は直球で遊ゴロ。大竹の鬼門だったイニングを雄々しく突破した。
8勝目の大竹は「意思の疎通が、すごくうまくいった。シュートで抑えていこうと思った」と、攻めの6回を納得した。小林は4投手を1失点でリードし、勝利球をつかんでガッツポーズした。「ピッチャーが自信のある球で勝たせたかった」と、投手主体に引っ張る原点を学んだ。
前日、2本塁打で敗れた。状況を整理しながらの対話という、原監督らしい方法で小林の背中を押してあげ、前へ進めた。試合前は阿部を熱心に教えた。4番は2安打1打点と、練習通りの逆方向で応えた。“原先生”は生徒を洞察している。だから教えに即効性がある。「いい形で主導権を取るゲームをしたい」と力強く言った。1・5差でさぁ、阪神だ。【宮下敬至】



