<広島1-2中日>◇11日◇マツダスタジアム

 攻めの姿勢はあと1歩及ばなかった。広島が中日に1点差で競り負け、3連勝を逃した。野手16人を全員使う積極采配。「上を目指しているから全力で行った」と野村謙二郎監督(47)は攻め抜いた。ここまで踏ん張ってきたが、巨人の優勝マジック16を再点灯させ、ゲーム差は4に開いた。残り19試合、逆転優勝へ全力で突っ走る。

 死力を尽くした。野手16人をすべて使いきった。何度も逆転のチャンスを作ったが、「たら」「れば」を言い出したら、キリがない。競り負けた事実はもう戻らない。指揮官は試合後、すぐさま気持ちを切り替えようとしていた。

 野村監督

 仕掛けて、どんどん勝負に行った。雰囲気はあったんだけどね。投手も連投が続いているけど、勝てる見込みがある時は勝ちに行く。打つ手は打った。今日はそれがはまらなかったということ。

 攻めの采配を貫いた。先発デュアンテ・ヒース投手(29)は5回で5四球と制球に苦しみながら、被安打2で無失点。まだ球数88の状況で、5回1死から代打鈴木誠を送り出した。1点を追う7回1死満塁、左腕大野から右腕又吉へのスイッチを確認すると、4番ロサリオに迷わず代打松山をコールした。松山は空振り三振、続く5番梵も空振り三振に倒れたが、それは結果論に過ぎない。ビハインドの展開でも、7回に2連投の中田、8回は3連投の中崎を投入。勝負手を打って負けたのだ。下を向いている暇はない。

 1点を追う8回1死二塁の場面では代打中東が三ゴロに倒れた。一塁送球の間に、代走出場していた二塁走者天谷が三塁を狙うも憤死し、反撃ムードがしぼんだ。天谷は「スキがあれば行こうと思っていた。ワンヒットでは絶対に(二塁からでは)かえれないと思った。完全に僕のミスです」と猛省。指揮官は「(頭に)描いたら、その通りに行ってしまうのかな」と振り返ったが、「紙一重というところだから」と必要以上に責めることはなかった。

 首位巨人とのゲーム差は4に開き、マジック16点灯を許した。指揮官は言葉に力を込めた。「(4ゲーム差とか)それは関係ない。僕らは勝たないといけない。上を目指しているから全力で行った。明日から1つ1つ、しっかり戦っていくだけ」。残り19試合。カープらしく、持ち味の積極性を貫くしかない。【佐井陽介】