<西武6-5ソフトバンク>◇20日◇西武ドーム

 首位ソフトバンクが今季初の4連敗を喫し、4日連続でマジック点灯に失敗した。延長10回に五十嵐がサヨナラ打。緊急ミーティングを終えた秋山幸二監督(52)が声を絞った。「厳しい試合だな。プレッシャーだね。いつもできていることができない。開き直ってやるしかないんだ」。平常心を貫けず、相手に隙を与えた。

 散見したちぐはぐさに首位の姿が薄れる。象徴的なのは同点の9回2死一、二塁で起きた。代打長谷川が左翼正面への安打。笘篠三塁ベースコーチは腕を回して本塁突入の指示だが、二塁走者の柳田は三塁でストップ。驚いたのは一塁走者の内川で、三塁めがけて塁間の半分近くまで進んでおり、左-捕-二と転送されてアウト。勝ち越しのチャンスは一瞬でつぶれた。

 柳田

 勝つのが難しい。自分の中で絶対に無理と思ったが、ぐるぐる回っていて体が反応できなかった。

 笘篠コーチ

 内川がおとりで行くのはセオリーで間違っていない。(本塁)アウトになったらこっちの責任。行ってもらわないと。

 どちらも必死ながら結果的に作戦を遂行できなかった。明石が何でもないゴロをトンネルし、左足ではじく適時失策や、右中間への飛球を一瞬譲り合う危うい場面もあった。秋山監督の指摘する重圧がのしかかる。柳田を1日限定でプロ初の1番で起用し、1回に3点先制と勝負手がはまり、5回から継投に入った。必死のタクトも今季最大4点差からの逆転負け。先に敗れた2位オリックスにお付き合いし、最短のマジックは21日に“延期”となった。【押谷謙爾】