楽天が、来季のヘッドコーチ候補として、巨人橋上秀樹打撃コーチ(48)をリストアップしていることが18日、分かった。大久保新監督を支える重要なポストを託す適任者として、一貫して高く評価している。

 球団は、来季の組閣を急ピッチで進めている。星野前監督の辞任表明後、新監督の選定に難航。大久保監督の就任発表は、秋季練習初日の今月14日までずれ込んだ。そのため、新コーチ陣は、外部招聘(しょうへい)よりも1、2軍の配置転換が軸となっている。ただ、ヘッドコーチのポジションだけは空白のままだった。

 球団OBである橋上コーチに白羽の矢を立てたのは、自然な流れだった。野村ID野球を支えた実績がある。創設初年度の05年からコーチを歴任。07年からはヘッドコーチとして、野村克也監督(当時)を支えた。球界トップクラスの分析力を誇るスコアラー陣が集めたデータを解析し、緻密な指導を実践した。監督と選手をつなぐキーマンとなり、09年に初のCS進出に貢献した。

 同コーチが09年限りで退団した後も、楽天はチーム戦略室を設け、データ重視の野球を推し進めている。大久保監督もデータに基づくゲームプランを立てて試合に臨むのが信条。日本一の翌年に最下位に沈んだチーム再建の切り札として、調査を進める。