9年ぶりの日本シリーズで敗退した阪神は10月31日、今季の全日程を終えて関西へ戻った。

 日本シリーズでの敗戦が、阪神藤浪晋太郎投手(20)の闘争心に火を付けた。屈辱の胴上げを見て、一夜が明けても「悔しい思いしかない。きっちり借りは返したい。目の前でつかめなかったので、現実的にはなりました」ときっぱり。漠然としていた日本一の目標が現実的になり、力がこもっていた。

 反省はテンポの悪さだった。1勝1敗で迎えた第3戦に先発。6回途中3失点で黒星を喫した。球数を要して、味方の攻撃につなげることができず「いい投球ができなかった。リズムを作れなかった。自分のミス」と悔しさを押し殺した。

 まずは4日まで休養し、体のメンテナンスに専念する。5日から鳴尾浜で行う練習では、出場が決まっている日米野球に向けて「届いているので、メジャーの球で練習したいと思います」。目標が明確になり、モチベーションも1段上がった。立場を逆転させる来季へ、準備をすぐに始める。