原流改革の第4弾だ!

 巨人原辰徳監督(56)が17日、川崎市・ジャイアンツ球場での秋季キャンプでリリーフの西村健太朗投手(29)に来季の先発転向を伝えた。リーグ3連覇を果たすも2年連続で日本一を逃した今オフは、阿部の一塁転向など大胆な配置転向を連発。指揮官のあくなき挑戦心が巨人軍をさらなる高みへと導く。

 原監督がまた、組織再編の手を打った。ブルペンで投球練習中の西村に決断を伝えた。「来年は先発のつもりで考えている。先発陣の中での競争と考えてオフを過ごしてほしい」。スターターを務めた経験はあるが、13年に最多セーブを受賞したリリーバーの先発再転向。受け入れた元守護神に、球種を増やすためにチェンジアップを投げることを勧めた。新たな船出を助言とともに送り出した。

 今オフは大胆に配置を組み替えている。長年、正捕手だった阿部を両者の意向として一塁手に転向したのが始まりだった。続いて期待の高卒ルーキー和田を捕手に挑戦させ、さらに先発沢村を抑えに回した。「新しい態勢で臨むことが重要。慎之助(阿部)が一塁に回るのも大きいこと。健太朗が沢村と代わることも不思議じゃない。新しいジャイアンツをつくる」と覚悟を示した。

 日本一奪回の悲願は逃した。だが秋季キャンプを本拠地に張り、久々に平穏な時間を確保した中で陣容をじっくりと見つめ直した。

 原監督

 こうやってゆっくり野球と向き合える時間って、本当に久しぶり。何年ぶりだろう、貴重な時間ですね。配置転換については、まずは選手の適性を見極めること。結果を出せるかどうかは、本人の努力も大切になってくる。結果を出せなかったら、取って代わる人間がいる。それがプロの世界なんだから。

 第4弾の改革で先発力を高める。今季は内海、菅野、大竹と故障者が多く、ローテを死守したのは杉内1人だけだった。「CSを戦い、先発は強い形で戦えたのか、という反省がある。来季も先発5人が理想型の中で横一線のスタートラインについてくれと言ってある」。変えることを恐れない。変わることで強くなる。原監督が巨人を変えていく。【広重竜太郎】

 ◆主な抑えタイトルホルダーの先発転向

 鈴木孝政(中日)は75~77年にリーグ最多セーブの後、82年に先発転向し通算124勝。83、86年最優秀救援投手の斉藤明夫(横浜)はリーグ最多セーブ3度の後、先発に再転向し90年に10勝。大野豊(広島)は複数回の転向で148勝&138セーブ。中日、ロッテと両リーグで最多セーブの牛島和彦は、89年先発で12勝。山沖之彦(オリックス)と武田一浩(巨人)は最優秀救援投手を獲得した後、先発で最多勝を獲得した。