中日浅尾拓也投手(30)が“変身”もいとわない覚悟を示した。19日、名古屋市内で契約交渉を行い、4500万円減の年俸1億2000万円でサイン。不振続きで3年連続の大幅減俸となり、危機感をあらわにした。落合GMからは不可欠な戦力として期待の言葉をもらい、理想とする本格派スタイルよりも「結果」最優先で追求する決意を固めた。

 ダウン幅は約28%。ほんの3年前の契約更改でサインした最高年俸2億7500万円から半分以下になった。それでも、浅尾の目には精気が宿っていた。

 約40分間の交渉で落合GMからストレートに球団の思いを伝えられていた。

 「お前がやってくれないと困る」

 今でもチームに不可欠な戦力だ-。浅尾にとっては何より重い言葉だったに違いない。

 今季は22試合登板で防御率6・16。08年にブレークして以来、最悪の年だった。ここ3年は肩痛、肘痛のほか、フォームを乱して自分を見失った。それでも球団は、かつて完全無欠を誇ったセットアッパーの復活を待っていてくれる。

 「いい成績だった当時とは年齢も体も違う。その年に合った力を最大限に出す投球をしたい。スピードやキレを求めたいが、求めすぎてもいけない。考えながらやっていきたい。現実にチームの力になれていない。口ではなく、結果で示せるようにやっていく」。

 最速157キロ。元来、スピードへのこだわりは人一番強い。確立された自分のスタイルは今も理想として追い求めている。だが、結果が出なければこの世界を追われるだけ…。ジレンマと戦いながら「結果」だけを求め、あらゆる手を尽くそうとしている。

 「野球生活がどれくらい続くか分からないけど、悔いのないようにやっていく」。フォーム改善など、復活ロードは今のところ順調。浅尾は長い階段を1歩ずつ上がろうとしている。(金額は推定)【柏原誠】<浅尾の苦闘3年間>

 ◆12年

 MVPの前年から一転、不振続きで5月に登録抹消。右肩関節腱板(けんばん)損傷と診断。9月に復帰。29試合で15ホールド、防御率1・50。年俸5500万円減で更改。

 ◆13年

 肩痛の影響が尾を引いて開幕前のWBC日本代表から落選。7月に1軍初昇格。34試合で22ホールド、防御率1・47。年俸5500万円減で更改。

 ◆14年

 開幕前に右肘痛発症で出遅れ。6戦連続失点するなど絶不調で8月に登録抹消。22試合で8ホールド、防御率6・16。年俸4500万円減で更改。

 ◆今オフ

 フォーム改善を目指しキャッチボール、ブルペン投球を繰り返す。体をリセットせず、動かしながら来季に備える方針。