来季三塁レギュラーを狙う中日高橋周平内野手(20)がブレークのきっかけをつかんだ。約3週間の秋季キャンプを20日に打ち上げ。頭が突っ込む悪癖を修正し、来年2月の春季キャンプも指導する臨時コーチの土井正博氏(70=野球評論家)が太鼓判を押した。この日ベストナインに選ばれたエクトル・ルナ(34)らとガチンコ勝負する。

 実りの秋だった。ハードな秋季キャンプを終えた高橋周は晴れやかな表情だった。

 「充実していました。長いようで短かった。中身のある練習が出来た。最後の4日間でだいぶ分かってきた」

 最後の4日間…。悩み続けた20歳の若武者に光が差したのはキャンプ最終クールだった。いったい何が起こったのか?

 臨時コーチを務める土井氏が証言した。

 「やっと何かをつかんでくれたかな。本人もええ感じになったと言ってる。頭を突っこんでいくのがなくなったからね。打球に角度が出てきたよ。1つでもステップアップしてほしい。将来はクリーンアップ打つ選手だから」

 打撃を激変させたのは構えだった。軸足である左足の体重のかけ方を変えたことで、前に突っこむクセが修正された。土井氏は「一番上のボタンを掛け違えば、チグハグになるから」と説明する。始動の構えが固まったことで、思い描いた打撃に近づいた。

 背番号9は、今キャンプの象徴だった。個人名を挙げることが少ない谷繁兼任監督は来季の三塁レギュラー取りを厳命。多い日は1日に500本近いノックを浴びせることもあった。キャンプを総括した指揮官もあらためて「出てこないといけない選手」とキッパリと言い切った。

 確かに壁は分厚い。三塁はベストナインを獲得したルナに、大先輩森野も奪取を狙っている。ホットコーナーを守るためには、強力なライバルが立ちはだかる。高橋周の武器は若さと打力。来春のキャンプでも特別コーチを務める土井氏から「つかんだ形を自分のものにしろ!」と宿題を出された。

 「(周囲は)期待してくれると思うけど、レギュラーは自分の力で取らないといけない」

 秋に手にしたつぼみを春のキャンプで花開かせる。【桝井聡】