阪神呉昇桓投手(32)が球団に何ともユニークなお願いだ。2年連続セーブ王に向け「珍要求」をしていることが23日、分かった。球団関係者が「呉昇桓の方から来年はキッチン付きのホテルに住みたいと要望が出ている」と明かした。来日1年目の今季は大阪市内のマンションで生活。日本での暮らしに慣れ、さらに住環境を整えたい考えだ。

 球団関係者は「掃除のこともあるし、自炊もするからね」と説明を続ける。呉昇桓は韓国人マネジャーから食事など生活のサポートを受けているが、1人で過ごすときの掃除など、遠征も多いこともあり、煩雑な面もあった。そこで球団にお願いしたのがキッチンが部屋に併設されたホテルへの引っ越しだ。米国など欧米ではレジデンス型のホテルが普及しているが、日本では、そう多くない。球団側も11月上旬から、要望に合うホテル探しに入る。

 呉昇桓自ら、キッチンに立つこともあるという。韓国サムスン時代は自炊し、得意料理はチャーハンだ。サポートが行き届いたホテルの台所で腕を振るう。マウンドで全力を出し切る分だけオフタイムのリラックスは重要になる。もちろんマウンドで全力を出し切るためのリクエストだろう。

 来日1年目の今年は39セーブを挙げ、防御率1・76と大車輪の働きだった。将来的なメジャー志向を持つが、2年契約最終年の来季も阪神で全力を尽くす。11月中旬には韓国メディアに「日本で0点台の防御率もしてみたい。2年連続で救援王のタイトルに挑戦する」と話す。優勝に導くため、台所で食材を、マウンドで敵を鮮やかに料理する。