日本一でも悔しい思いを胸に来季を迎える。ソフトバンク今宮健太内野手(23)が22日、ヤフオクドーム内で契約交渉に臨み、1800万円アップの7000万円(金額は推定)でサインした。だが、希望額とは大きな開きがあり笑顔はなかった。

 厳しい表情だった。今宮は今季2割4分からの大幅な打率アップを目標に掲げた。

 「(希望額に)いってないですね。昨年より打っていないんで。打率3割に(目標を)絶対置いておかないといけない」

 レギュラー遊撃手となって3年目の今季は144試合すべてスタメン出場。広い守備範囲と強肩で何度もチームを救った。2番打者として2年連続の62犠打でチーム日本一に貢献。3年連続で120試合以上出場と欠かせぬ存在となったが評価は厳しかった。

 「(3年続けても)来年からということだった。日本一でも個人の成績が足りていなかった。文句ない成績を残して1億(円を)突破したい」。2年連続でゴールデングラブ賞を獲得した守備に加え、打率3割なら胸を張っての大幅アップとなる。

 小川一夫編成・育成部長も「高い評価はしている。打撃が小さくなっている。可能性を持っている選手」と、打撃面での成長を期待した。今宮も「自分のかたちをつくりたい」。打撃フォームを固定することがキーポイントで、広角に安打を打ち分ける技術習得を目指していく。

 今季はレギュラー定着後で初めて日本一を経験。このオフは「ハワイのV旅行も楽しかった。1日1日が楽しかった」と優勝の喜びを感じ続けた。厳しい査定にも保留はせず一発でサイン。喜びも悔しさも味わい来季を迎える。連続日本一へ、心の底から笑えるようになるため、今宮の挑戦は終わらない。【石橋隆雄】