ソフトバンク大隣憲司投手(30)が復活料込み「優勝請負人査定」で1300万円増を勝ち取った。24日、ヤフオクドーム内で契約交渉に臨み、年俸7300万円で更改(金額は推定)。「最大限に評価してもらいました」と顔をほころばせた。

 今季はわずか3勝だが、国指定難病の黄色靱帯(じんたい)骨化症を克服し7月に1軍復帰。10月2日のリーグ最終戦、10月20日CS最終戦の第6戦と、負ければ終わる大一番で先発し無失点投球で劇的Vを導いた。10月28日の日本シリーズ第3戦でも7回無失点で勝ち投手。「プレッシャーのかかる場面で何度もいい投球してくれた、戻って来てくれた、と球団から言われました」。まさに10月の1カ月間での好投が自己最高額へのアップにつながった。

 小川一夫編成・育成部長は「瀬戸際の登板で、投球内容もよかった。数字では表せられない部分もある。そう簡単にはない」と異例の査定になるほどの貢献度だったと認めた。

 難病から復帰した今年は周囲の温かさを感じた1年だった。来季は大隣が恩返しをする。「病気になっている多くの人を励ましていきたい。今度は自分がそうしたい」。同じ病に苦しむ人を対象にするのか、難病の人を対象にするのかなど、球団とも話し、社会貢献に取り組む考えだ。投球数に応じてなど、その方法も来季開幕までに決める。

 世のため、鷹のため!?

 来季はしっかり1年間先発ローテーションを守り抜く。「中6日でも中5日でも。しっかり回れば結果はついてくる」。会見ではサンタクロースの格好をした「となりのサンタ」が感謝の気持ちを胸に、プレーを通じて多くの人に勇気を届けていく。【石橋隆雄】