信頼の1軍スタートだ。オリックス金子千尋投手(31)のFA残留発表から一夜明けた25日、森脇浩司監督(54)が来春キャンプは宮崎でのA組(1軍)スタートを示唆した。右腕は11月末に右肘を手術してリハビリ中。沖縄・宮古島でのB組スタートも考えられたが指揮官は「現段階では宮崎でやるのがベストと考えている」と明かした。

 まず森脇監督は、金子のFA宣言残留を手放しで喜んだ。「いろんな選択肢があった中で残留は高いハードルだったと思うが、動いていただいたオーナー、フロント、そして決断した千尋に感謝したい。うれしいし、頼もしく思う」と、今オフ最後の“補強”について初めて語った。

 金子は来季の開幕投手に指名済み。さらに来春キャンプでのA組スタート構想を明かした。「最終決断は先だが、現時点では宮崎でやるのがベストと考えている」。金子は右肘のリハビリ中。キャンプでも別メニュー調整の可能性もある。温暖な宮古島B組スタートが考えられたが、指揮官は近くで見守る考えだ。

 その方針は前日24日、神戸市内の合宿所で本人に直接伝えたという。「宮古島より宮崎でやる方が、下半身も上半身も芯からじっくり作れる。肘については(11年に手術して)経験があるから、しっかり準備してくれるということで信頼している。信頼しているから、近くに置いておくということ」と説明した。

 金子は残留会見で「今のチームメートと優勝したい」と最大の理由を明かした。森脇監督はその言葉も力になると強調した。「あの発信で、絆はより強くなる。来年の大きな原動力になる」。19年ぶりのリーグ制覇に向け、手ごたえを深めていた。【大池和幸】