進む道は「阿部ロード」だ!

 2年目を迎える阪神梅野隆太郎捕手(23)が7日、福岡市内の母校・福岡大グラウンドで自主トレを公開した。あらためて開幕スタメン奪取を誓うと、プロ入り2年目で正捕手をつかんだ巨人阿部を意識。開幕からのスタートダッシュで、2年目のジンクスを吹き飛ばす。

 故郷福岡を離れる最後の日。梅野が選んだ練習場所は、1年前と同じ母校のグラウンドだった。「開幕スタメンを目指します!」と宣言。言葉に力強さがみなぎる。静かなグラウンドで「いいスタートを少しでも切りたい」と控えめに誓った昨年との違いは明らかだ。

 1年目に歩んだ道のりは上り下りが激しかった。開幕から順調にステップを踏み、7月はスタメンに定着。ただ、体重が落ちた夏場から出場機会が激減した。2年目の目標は全143試合出場。「自分の中でもプレッシャーはあるけれど、期待も感じる。それに恥じないように。まずはスタートダッシュを切りたい」。理想像は巨人阿部の大卒2年目だ。今季の日本人最高年俸が確実な男も02年、世代交代の波に乗り原新監督の下で正捕手を目指した。

 1年目の打率は2割2分5厘。そこから大きく数字を上げ、打率2割9分8厘、18本塁打、73打点で日本一に貢献したのだ。シーズン途中には3番も経験。そんな阿部同様に梅野のウリも高い打撃力だ。昨季は7~9番の下位起用だったが、成績が上がれば打順も変動するだろう。「打順が上がればそれだけチームに貢献していること」と中軸願望はある。まずはその思いを頭の隅に置き、与えられた打順で結果を求める。

 ただ、口だけでは2年目のジンクスに陥る。そのため、残り3カ月弱で最終の打撃フォーム固めに入る。昨秋キャンプではグリップを下げ気味にし、ゆったりと構えるフォームに挑戦。春は実戦で試しながら確立を目指す。「細かいところをチェックして、あとは自分の能力で打たないといけない」。年末年始はトレーニングに終始し、この日が新年初打ちだった。その間に体はベスト体重の80キロに整備。開幕からスタートダッシュを切るべく、大事なのはここからだ。

 「今年はレギュラーを目指していく年。身が引き締まる思いです」

 2015年は例年通り、家族と年越しそばを食べて迎えた。関西への1歩を踏み出すと同時に、スイッチがオンに切り替わった。【松本航】