トリさんの相棒は譲れない!

 広陵OBでともに内野のポジション争いに臨む阪神新井良太内野手(31)と上本博紀内野手(28)が、甲子園室内練習場で自主トレを公開した。2人が世話になっている遊撃鳥谷がメジャー挑戦ではなく阪神残留を決断。上本は西岡との二塁争いに黙って勝負とばかりに決意を秘めた。

 上本は黙ってレギュラー取りだ。開戦間近な西岡との二塁争いには慎重に言葉を選んだ。

 「意識しないわけじゃないけど何て言っていいか分からない。勝ち負けはあるでしょうが自分のことをしっかりやるだけ。(守りたいのは)二塁ですが…」

 西岡への配慮もあってか、バトルのあおりに困惑。もちろん、昨年西岡の故障後に奪った定位置を譲るつもりはない。選んだのは威勢のいい誓いではなく、プレー1本での決着。勝つための教材が、残留を決めた早大の先輩鳥谷だ。

 「鳥谷さんがいるのといないのでは全然違う。チームとしてもよかったし、個人的にもいいお手本が身近にいるので、しっかり勉強させていただきます」

 昨季はリーグ最多の17失策。課題の守備力アップへ、キャンプで泥にまみれる覚悟だ。3度のゴールデングラブ賞を誇る鳥谷から極意を学び、力に変える。目標は二遊間コンビの再結成。2年目選手会長として引っ張るリーグ優勝だ。

 「個人テーマは守備、打撃、走塁の全部。勝つために1戦1戦戦う。その結果が優勝なら一番いい」

 オフは体の手入れにも力を入れ、年末年始も不休でトレーニング。黙々と鍛錬を続けている。【松井清員】