独立リーグ、ルートインBCリーグの石川は8日、新監督に元ロッテのフリオ・フランコ内野手(56)が就任すると発表した。50歳を超えてなお現役で、選手を兼任する。大リーグでは91年にア・リーグ首位打者に輝くなど、通算23年間で173本塁打、1194打点をマーク。48歳時の最年長本塁打など、多くのメジャー最年長記録を持つ。明日10日に本人不在ながら、金沢市内で就任記者会見が行われる。

 北陸新幹線で沸く古都・金沢にまた、ホットな話題が舞い込んだ。独立リーグのBC石川に、大リーグの“レジェンド”、フランコが選手兼任監督として就任することがこの日、公式サイトで発表された。関係者によると、3月上旬のキャンプインに合わせて来日するという。

 49歳までメジャーでプレーした鉄人だ。88年から4年連続で打撃ベストナインにあたるシルバースラッガー賞を受賞。91年の首位打者など多くのタイトルを獲得した。95年、98年には来日してロッテでプレー。日本プロ野球界初の外国人主将として貢献した。1度は引退を表明したが、55歳を迎えた昨季は米独立リーグ、ユナイテッド・リーグのフォートワースで6年ぶりに現役復帰。石川では指揮中心になるとみられるが、代打などで貫禄漂う立ち姿が見られるかもしれない。

 熱烈ラブコールで実現した。石川の端保聡球団社長は大のメジャー好きで知られる。ファンが喜ぶビッグネームをと、熱心なオファーで招請にこぎ着けた。取締役を務める元近鉄の佐野慈紀氏は、自身のブログで「ロッテ時代に何度か対戦しましたし、彼こそ本物のプロフェッショナルです。(石川)ミリオンスターズの選手に多大な影響と多くの刺激を与えてくれることでしょう!

 私自身興奮して今からワクワクしてます!」と歓迎した。

 明日10日の就任会見にフランコは出席しないが、ボイスメッセージが流れる予定だ。石川には前日本ハムで、インディアンスでプレーした多田野も投手兼コーチとして加入したばかり。佐野氏は「関東地方の皆さん。新幹線に乗って金沢まで、フリオ・フランコ率いる石川ミリオンスターズの観戦にぜひお越しください!」と地域活性化に期待。ワールドクラスの指揮官が、石川からBCリーグを盛り上げていく。

 ◆ルートインBCリーグ

 北信越、関東、東北で活動するプロ野球独立リーグ。07年に長野(信濃)、石川、富山、新潟の4県に各1チームを配置して発足。08年に群馬、福井が参入。今季は埼玉(武蔵)、福島が参入して計8球団になり、4球団ごとの2地区制で実施する。全国でホテルを展開するルートイングループが昨季からリーグの命名権を取得。BCはベースボール・チャレンジの略。<フリオ・フランコ

 アラカルト>

 ◆略歴

 1958年8月23日、ドミニカ共和国出身。78年に米独立リーグでプロ生活をスタートさせ、同年にフィリーズとマイナー契約。82年にメジャー初昇格。183センチ、73キロ。右投げ右打ち。

 ◆最年長記録

 本塁打、満塁弾、代打本塁打、1試合複数本塁打と、いずれもメジャー史上最年長記録を持つ。04~07年までメジャー最後の4年間は、現役最年長だった。

 ◆球宴3度

 レンジャーズに所属した89年から3年連続で選出され、90年に球宴MVPを獲得。

 ◆タイトル

 91年にア・リーグ首位打者。88年から4年連続で二塁手として、94年には指名打者として計5度のシルバースラッガー賞を受賞。

 ◆20球団所属

 メジャーでは8球団で23年間プレーし、日本ではロッテ、韓国では三星(現サムスン)、その他マイナーや独立リーグ10球団に所属し、昨年まで計20球団を渡り歩いた。09年はメッツ傘下ルーキー級で、12~13年はメキシカンリーグで監督を務めた。

 ◆4000クラブ

 メジャー、マイナー、独立リーグすべて含めるとプロで計4235安打を記録。これはイチロー(マーリンズ)、ピート・ローズ、タイ・カッブら他に6人しかいない。

 ◆重量バット

 独特な打撃フォームで知られ、1キロ以上の重いバットを使用。メジャーでもここまで重いバットを使う選手は少なくなった。

 ◆年齢詐称疑惑

 メジャーでは年齢詐称を疑われ続け、一時引退した07年には「昨年は実は47歳ではなく54歳だった」と米メディアに話していたが、真相は今も不明。