巨人の「マッサン」は元気はつらつです!

 ドラフト1位岡本和真内野手(18=智弁学園)が12日、宮崎キャンプの2軍紅白戦に「6番三塁」で先発し、初打席で投手強襲の“プロ初安打”を放つなど2打数1安打。豪快な空振り三振や落球もあったがうつむかず、思い切りの良いプレーを見せた。試合後には居残り特守を敢行し、新しいバットも発注済みと、マッサンの向上心は尽きない。

 無我夢中で、力強くバットを振り抜いた。紅白戦の初打席で、岡本は先発成瀬に直球2球で簡単に追い込まれた。だが、スタイルは変えない。直球を目いっぱいに振った。バットの芯を外し「グシャ」と、折れたような音が響き渡った。だが、打球は鋭かった。成瀬のグラブをはじく内野安打で、初安打を記録。「H」のランプをつけたが、塁上では首をかしげるしぐさをした。「ヒットと思っていないし、ただの投ゴロです。たまたま記録はヒットになったけど、ただの投ゴロです」と、表情はさえなかった。納得がいかなくても、いきなり“プロ初打席初安打”の結果を勝ち取った。

 自分を貫いたからこそ、安打が生まれた。「高校の時から、当てに行くことはしなかった。強く振ることが持ち味なので」と語る。智弁学園の小坂監督も「岡本はストライクが来たら、どんどん捉えにいく」と積極性を評価する。3打席目は三振だったが、空振りを恐れずにフルスイングした。結果に振り回されず、うつむかない。元気よく声を出して初実戦を全うした。

 試行錯誤の真っ最中だけに、この日の結果に一喜一憂しない。自分のスイングにあったバットを探すべく、重さや長さの違うバットを試している。この日は入寮時に持ってきた900グラムを使用した。7日には原監督から、現在の球界では重い部類に入る、920グラム以上のバットを勧められた。今はバットケースに、坂口から借りた920グラムのバットを忍ばせている。また新たに重さ920~930グラムで、長さが約86センチと約87センチのバットを注文している。

 課題の三塁守備も貪欲にレベルアップを図る。4回1死一塁、北之園の飛球を、グラブの先端に当てて落球。だが、あきらめずに素早く一塁走者を二塁で封殺した(記録は三ゴロ)。特守では右ふくらはぎがつったが、これも全力プレーの産物だ。ひた向きなルーキーに、後藤2軍守備走塁コーチも「岡本は『下手だけど守備は好きです』と言ってきた。このままやっていけば、うまくなる」と18歳の向上心に期待する。

 持ち味の打撃はスタイルは変えない。「どっしりとした構えで、自分のフォームでやっていきたいと思う」。巨人の「マッサン」は全ての面で豪快かつ一徹に成長していく。【細江純平】