<東京6大学野球:明大6-3法大>◇第7週第3日◇27日◇神宮

 明大は、今季初先発の上原健太投手(2年=広陵)が7回途中3失点で粘り、3季ぶり優勝へ逆王手をかけた。前日135球完投のエース山崎福也投手(3年=日大三)が救援し、打線は法大を上回る13安打で総力戦を制した。法大は開幕からの連勝が9でストップ。1勝1敗1分けとなり、今日28日の4回戦で勝利したチームが優勝となる。

 負ければV逸の大一番。大役を任されたのは、今季初先発の上原だった。190センチ、86キロの大型左腕。再来年のドラフト1位候補だが、今季は救援で5試合登板したのみ。善波達也監督(50)は「彼の持っているボールと、法政と2日間やって、今日は上原の方がいいかなと。気持ちの面もすべて含めて」と言った。

 土壇場のギャンブルは吉と出る。上原は140キロ台後半の直球を軸に押した。「早く先発したい気持ちが強かった。前向きな気持ちが結果になった」と喜んだ。中嶋啓喜主将(4年=桐蔭学園)、正遊撃手の福田周平内野手(3年=広陵)をケガで欠いた総力戦。最後は今季10試合目の登板の山崎で逃げ切った。

 全勝だった法大に対し、東京6大学で最も多い15試合をかけて、あと1勝にたどり着いた。負ければ法大の優勝が決まる試合は、この日が4試合目。崖っぷちで、伝統の粘りは健在だ。

 これで逆王手。前日は試合後に全体練習を行い、この日は午前7時から打ち込んだ。戦いながら体力を磨き、勝負どころの強さにつなげる。善波監督は「みんな粘って、本当の決定戦にこぎ着けた」と言った。他大学は通常月曜日が休日だが、明大は3回戦勝負を見越して、オフ期間から休日は火曜日に設定。長い戦いは大好物だ。【前田祐輔】