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パなぜ強い?

 交流戦が始まってから7年間、すべてパ球団が優勝し、全体でも勝ち越している。

交流戦の年度別優勝チームとセ、パ対戦成績
優勝 勝率
05 ロッテ 36 24 11 686 104 (7) 105
06 ロッテ 36 23 639 107 (1) 108
07 日本ハム 24 18 783 66 (4) 74
08 ソフトバンク 24 15 625 71 73
09 ソフトバンク 24 18 783 70 (7) 67
10 オリックス 24 16 667 59 (4) 81
11 ソフトバンク 24 18 818 57 (9) 78

【注】セ、パ対戦成績の(カッコ)数字は引き分け数

 昨季、優勝したソフトバンクは18勝4敗2分け、勝率8割1分8厘で全日程を終了。全球団に勝ち越しての完全Vは09年ソフトバンクに次ぎ2度目で、07年日本ハムと09年ソフトバンクの7割8分3厘を上回る交流戦最高勝率を記録した。上位3チームをパ・リーグが占め、セ・リーグのチームで勝ち越したのは中日だけ。対戦成績はパ・リーグの78勝57敗9分けとなり、パ・リーグが6度目の勝ち越し。10年22勝差、11年21勝差と、2年連続でパ・リーグが大差をつけた。

 なぜ、これほどまで差がつくのか。

 パの方が強い理由を選手に聞くと、圧倒的に「投手力の違い」という答えが多かった。「パにはいい先発投手が多い」と口をそろえた。

 規定回数に達している投手の成績を見ても、歴然としている。防御率1点台の投手はセが3人に対し、パには8人もいる。パで防御率3点以上はロッテ渡辺俊だけ。パ先発投手のほとんどが1試合を3点以内に抑えていることになる。

 特に交流戦では1カード2試合制。試合間隔も空き、力のある投手の先発が多くなる。 セ、パの大きな違いにDHの有無がある。パにはDHがあり、セにはない。この点がパ投手陣の成長に大きな影響を及ぼしている。

 規定投球回数に達している投手の、先発した試合の平均投球回数を見ると、セの6・70回に対し、パは7・08回と長い。これはセの場合、投手が好調でも試合展開によっては攻撃時に代打を送られて降板することも一因とみられる(データは2011年6月21日時点)。

 また、DH制のあるパの野球は「投手と打者の対決」がメーン。一方、DH制のないセの野球は、投手の交代期など「監督采配の駆け引き」が挙げられるだろう。  セ、パの違いを語る時、「球場」は避けて通れない。セに比べ、パは広い球場を本拠地にしている。この点がさまざまな影響を及ぼすと考えられる。

 野手からは「パの投手は力で押し、セの投手は変化球でかわす」という声が聞かれた。投手の資質や能力もあるが、それを度外視した部分で「球場の広さ」を挙げた選手は多かった。「パは広い球場だから力で押せる投手が育ちやすく、セのように狭い球場だと力で押せず、変化球でかわすようになる」という論理が成り立つ。

 打者を見てもパが圧倒的に優位だ。交流戦前までの打率は、セが2割4分9厘で、パが2割4分7厘と、ほぼ同じ。だが、交流戦に入るとパはさほど変わらないが、セは2割3分と1分9厘も下がってしまう。本塁打も、交流戦前までセが116本でパの99本を上回っているが、交流戦ではセが67本でパが87本で圧勝している。

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