191センチのビッグな右腕が、ビッグプランに心を躍らせた。オリックスのドラフト1位吉田一将投手(24=JR東日本)が22日、奈良県庁で荒井正吾知事(69)らを表敬訪問。吉田一にエールを送った荒井知事は「ぜひ1軍の試合をお願いしたい」と同県内での1軍戦の開催を熱望した。

 同県内では今季も2軍戦2試合が行われる予定で、これまでもオープン戦などの開催はあるが、1軍戦は長年行われていない。1軍公式戦開催には施設面の諸条件があり、同県スポーツ振興課によると、佐藤薬品スタジアム(橿原市)など県内4球場は実施条件が整っていないという。ならば、改修か新球場建設でクリアするしかない。

 中学まで奈良県で過ごした吉田一も「試合ができる球場ができたら一番いい。僕が現役中にできればいいですね」と新球場誕生を夢に見る。同課でも「吉田選手ら県出身者が活躍すれば、(球場建設の)機運が盛り上がると思います」と期待する。知事に「球界を代表する投手になりたい」と宣言した吉田一。プロで実績を残して、新球場建設のリード役にもなる。【高垣誠】

 ◆プロ野球を開催する球場

 公認野球規則で競技場の設定がある。各塁やマウンドの位置や形状が定められ、本塁から外野フェンスまでの最短距離(左右両翼は99・058メートル、中堅は121・918メートル)などが明記されている。左右と後方を囲い屋根のあるベンチもホーム、ビジター用にそれぞれ必要になる。さらにパ・リーグはアグリーメントで、地方球場で試合を行う手続きを明示。同リーグは昨季、専用球場以外で旭川、帯広、函館、盛岡、秋田、山形、郡山、大宮、東京ドーム、ほっともっと神戸、北九州、熊本、鹿児島で公式戦を行った。