節約王子にビックリご祝儀!

 ドラフト会議で阪神が1位指名した奈良産大・蕭一傑(しょう・いっけつ)投手(4年=日南学園)に「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが、プロ入り後、商品券10万円分をプレゼントすることが10月31日、分かった。台湾人留学生の蕭は“無駄遣い厳禁”の倹約家で、安くてボリューム満点の「餃子の王将」に行くことが最高のぜいたく。ひたむきに異国の地で野球に取り組む姿に同社が感激。餃子食べて、スタミナつけてや~。

 虎の“王将”になれ-。台湾から日本に渡って6年半。前日30日に念願のドラフト指名を受けた蕭に、まさかのプレゼントが待っていた。「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの大東隆行社長が、ご祝儀の内容を明かした。

 「何らかの気持ちで、ということで、当社の商品券10万円分をお渡しできたらと思っています」。

 阪神の1位指名を受け、蕭が台湾留学する経緯、日本での暮らしぶりなどが大きく報道された。理髪店には行かず、自分で髪をバッサリ。夜間練習でヘトヘトでも部屋でコツコツ自炊。財布に余裕があるときに向かう「餃子の王将」が最高のぜいたく。今どきの若者には珍しい倹約生活に、同社も異例の形でエールを送る。「ご来店」の感謝、今後の飛躍に期待を込めて商品券の贈呈を決めた。

 500円券が200枚で10万円分。北は栃木県から南は熊本県まで全国全店535店舗、全メニューに使用できる代物だ。地域によって値段に違いもあるが、関西ならば餃子1人前(6個)は税込み210円。ご祝儀をすべて餃子につぎ込み、毎日1人前を食べた場合、1年以上、実に476日も餃子に困らないから驚きだ。これまで倹約生活を続けてきた男にとって、夢のように豪華なプレゼントなのだ。

 蕭は阪神のドラフト指名を受け、もちろん入団にも前向き。もっとも、まだ正式契約は済んでおらず、アマチュア選手のため、正式にプロ入りしてからの“ご祝儀”贈呈となる。同社は商品券を10万円分とした理由について、蕭に迷惑がかからない範囲でと考え、気持ちを伝えたいという。

 同社は奈良産大を通した上で、仮に日程が合えば商品券の手渡しを希望する。「一生懸命頑張っておられる。その中で喜んでもらえたら。スタミナをつけて次のステップでも頑張っていただきたい」と大東社長。餃子を食べて、大きく羽ばたけ!

 節約王子への期待は、万里も超える?

 【佐井陽介】