<東都大学野球:亜大7-0東洋大>◇第7週2日目◇20日◇神宮

 亜大が、今春王者の東洋大を下し、1勝1敗のタイに持ち込んだ。プロ志望届を提出している中村駿介投手(4年=滋賀学園)が、自己最多の11三振を奪って初の完封勝利を挙げた。

 亜大・中村駿には余裕があった。最後の打者は145キロ直球で三振に仕留めた。最速150キロ、常時140キロ台中盤から後半の速球で押した。「コントロールが悪いので打たせて取ろうと思っていた。球威が落ちなくて良かった」と、初の完封勝利に笑みがこぼれた。

 滋賀学園高卒業時、69キロだった体重は現在93キロ。140キロが限界だった直球は、最速152キロをマークするまでになった。今夏の北海道合宿でエース東浜巨投手(2年=沖縄尚学)から教えてもらったツーシームを駆使し、春王者の東洋大打線を散発の5安打。第1戦で東浜が敗れただけに「絶対に第3戦で先発で投げさせよう」と燃えた。

 プロ志望届を提出している。ロッテ山下スカウトは「体に馬力もあるし、将来性を感じる」と評価。中村は「(ドラフトに)かかるか分からないですけど…。アピールにはなったと思う」と、運命の瞬間を待つ。