阪神が日本ハムからドラフト1位指名され、来春の1軍キャンプ参加が内定している早大・斎藤佑樹投手(22=早実)のプロデビュー戦の相手を務める可能性が浮上した。沖縄・宜野座キャンプ中の2月中旬、来年も日本ハムと練習試合を組むことが19日、分かった。過去にはメジャー帰りの新庄、注目ルーキー中田も対外デビューしており、可能性は十分。「猛虎重量打線対佑ちゃん」の夢対決が2月の沖縄を熱くする。

 虎VS国民的アイドルの佑ちゃん。ドリーム対決が来年2月中旬の沖縄で、実現するかもしれない。阪神と日本ハム。キャンプ中に毎年開催している練習試合を、来年も実施することが決まった。この試合は、日本ハムの新顔にとっての登竜門。宜野座か名護か、日時や球場などの詳細は今後詰められるが、日本ハム山田GMは早い時期の対外試合登板の可能性を認めた。

 「佑ちゃんは当然1軍だし、1軍に帯同している投手は(実戦に)投げて行きながらということになるんじゃないか。せかすことはしないけど、体も強いからね」

 04年にメジャーから日本ハムに入団した新庄の復帰戦もこの練習試合だった。福原から二塁打を放つなど、古巣相手に健在をアピールした。また08年高卒ルーキーの中田は、筒井から特大場外本塁打。戦列デビューを飾った。梨田監督は斎藤について「故障さえなければ1軍キャンプへ連れて行くし、開幕も」と明言。ファンサービスの意味でも、親友真弓監督が率いる人気球団とあれば申し分ない。実現すればテレビ局も放っておかない注目の一戦になることは間違いない。

 もちろん、阪神側はプロの洗礼を浴びせにいく。宜野座の試合では今年も新井が4番に座ったように、例年主催試合ではほぼベストメンバーに近い布陣を敷いている。さらに来年は開幕が3月25日と早いことから、ビジターの名護でも主力が出場することが予想される。ベテラン金本やリハビリ中の城島は出なくとも、ガチンコの夢対決は目じろ押し。佑ちゃんに抑え込まれれば猛虎の面目は丸つぶれだけに、白熱の戦いが期待できそうだ。

 斎藤が先発ならプロ最初の打者はマートンかもしれない。マートンは1年目の今季も日本ハムとの練習試合に1番でデビューするなど実戦調整を好む。来季も1番が有力なだけに、再びプレーボールの打席に立つ可能性は十分ある。一方で今季1番を打った鳥谷も候補だ。佑ちゃんの相手は、イチローを抜いて日本新の214安打をマークした助っ人か。それとも今季3割&遊撃手日本新の100打点をマークした虎の選手会長か。興味は尽きない。

 早実、早大で日本一を極めた国民的ヒーローの力が、猛虎打線に通用するのか。阪神はメンツにかけてどう打ち返すのか。2月の沖縄が熱くなりそうだ。