<東都大学野球:青学大2-0亜大>◇最終週初日◇24日◇神宮

 今日25日のドラフトで複数球団からの1位指名が確実な亜大・東浜巨投手(4年=沖縄尚学)が、奪三振のリーグ新記録を樹立した。青学大からリーグ戦自己最多の13奪三振。通算三振を420に伸ばし、東洋大・大場翔太(現ソフトバンク)の410を更新した。7安打2失点で完投も打線の援護がなく、自身、チームともに今季初黒星を喫した。

 東浜は淡々と奪三振記録を更新した。2回1死。7番谷から見逃し三振を奪って大場の410に並んだ。8番筒井はカウント1ボール2ストライクから、124キロの高めスライダーで空振り三振。記録更新も両手で帽子の傾きを直しただけで、足早にベンチに戻った。

 8回までに自己最多の13奪三振で記録を420まで伸ばした。それでも「結果がすべて。勝たなければいくら三振を取っても意味がない。全然うれしくない」。5、6回にツーシームが甘く入ったところを長打され2失点したため「軸がぶれていた。はまった時は球がいくけど、大事なところで甘く入った」と厳しい表情を浮かべた。

 三振には普段からほとんどこだわりを見せないが、これで自身初の4試合連続の2ケタ奪三振。今季の奪三振率は自己最高の11・25となった。球速が140キロに満たなかった今春はかわす投球が続いたが、夏場にプロで活躍するため「直球の球威を取り戻そう」とフォームを改造。この日も13のうち8個の三振を直球で奪った。捕手の嶺井も「ボールは来ていた。体重が乗っている」と証言した。

 最終視察に訪れたDeNA武居スカウトが「切れと伸び、球質がいい」と絶賛するなど、即戦力としてドラフトでは1位指名が予想される。「まだリーグ戦をやり通すことだけ考えたい。注目されるのはうれしいけど、励み、戒めにしたい」。今日25日に2回戦があるため、慎重に言葉を選んだ。リーグの歴史を塗り替えた右腕は、戦いながら運命の時を待つ。【斎藤直樹】<楽天>

 楽天の1位指名は亜大・東浜巨投手が最有力であることが24日、分かった。この日、都内ホテルでスカウト会議を実施。星野監督は「(1位候補は)5人ぐらい。まだ決まっていない。明日、新聞で情報を見て決める」と話した。ここに来て、法大・三嶋の評価が上昇。大阪ガス・松永、大阪桐蔭・藤浪らも候補だが、現場は即戦力の希望が強い。先発で勝てる投手として、大学NO・1右腕である東浜の指名が濃厚となった。なお、東海大・菅野もリストに残しているが、強行指名はしない方針。<ロッテ>

 ロッテは、亜大・東浜への指名が有力な情勢だが、この日も球団事務所で林本部長、松本編成統括、スカウト陣が集結して最後の情報収集に努めた。伊東新監督が欠席するため、くじ引きの大役を担う中村球団社長は「こういうのは自然体が大事」と、特に験担ぎはせずに臨むつもりだ。<DeNA>

 DeNAは、くじ引き役はくじで決める。横浜市内の球団事務所でスカウト会議を行い、これまでの方針どおり、藤浪、東浜、菅野の即戦力3投手の中から1位指名を決定。春田オーナー、池田球団社長も同席し、了承を得た。池田社長は具体的な名前は伏せたが「一番評価の高い人にいく」。くじ引き役はオーナー、社長、中畑監督の中で当日一番“持ってる”男に託す。「トランプとか箱に入れたくじとか持って行こうと思っている。それくらいしかやれることはないし、(運を)持ってる人はやってくれると思う」と、まさかのプランに大まじめだった。