阪神は外れ1位候補で即戦力左腕を獲得する方針を決めた。当初は競合覚悟で、東福岡・森を筆頭候補に挙げていたが、広島が1位指名を決めた。このため、大阪ガス・松永が最上位の位置づけとなる。さらに大体大・松葉も名を連ねる。中村GMは「現場の意見を尊重しながら、結論を出した。ここだ、とピンポイントでは言えない。シミュレーションして、外れた場合の候補を挙げた」と話すにとどめた。

 しかし松永、松葉は他球団の単独1位もしくは外れ1位候補にリストアップされている逸材だ。藤浪の交渉権獲得に失敗した場合、即戦力左腕も確実に確保できる保証はない。そこで浮上したのが、「桧山の後継者」だ。龍谷大平安(京都)の高橋大樹外野手(3年)を外れ1位で指名する可能性が出てきた。

 高校通算43本塁打で、高校日本代表にも選ばれた。長打力が魅力で、将来の4番候補だ。今オフの大型補強で打線のテコ入れに動いており、ドラフトでは将来性のある野手を指名することも可能だ。

 2位以下では、中村GMが自ら視察した西濃運輸・小豆畑真也捕手(24)を指名する方針。捕手獲得も補強ポイントのひとつで、小豆畑の他にも東海大・伏見、早大・杉山(現在は内野)も候補だ。「ポスト球児」として、速球派右腕の獲得も検討。NTT西日本・増田や大院大・金田、三重中京大・則本、法大・三嶋らをリストアップしている。今回のドラフト会議では5人前後を指名。育成枠は活用しない。

 ◆高橋大樹(たかはし・ひろき)1994年(平6)5月11日、大阪・藤井寺市生まれ。道明寺東小3年から「大井リバーサイド」で捕手として野球を始める。道明寺中では「河南シニア」に所属し、3年時にAA世界大会出場。龍谷大平安では1年秋から背番号12でベンチ入りし、2年夏、3年夏に甲子園出場。50メートル走6秒0。181センチ、80キロ。右投げ右打ち。