巨人原辰徳監督(54)が、おいの東海大・菅野智之投手(23=東海大相模)との交渉権を得て感激した。巨人は25日、都内で開催されたドラフト会議で、2年続けて同投手をドラフト1位指名し、念願を果たした。原監督は、ドラフト会場から約66キロ離れた神奈川・平塚市の東海大まで移動。背番号19のユニホームを着た菅野と、得意のグータッチで喜びを表現した。
飛んできて、晴れてグータッチだ。ドラフト会議の行われた品川から、平塚市の東海大まで約66キロ。原監督は車で移動し、やって来た。ドラフト当日の指名あいさつ。午後9時過ぎのフォトセッション。カメラマンのどんな注文にも満面の笑みで応えた。「ピッチャーとは、あまりしないんだけど」と言いながら、すでに菅野とグータッチ。5位指名の坂口も加え、3人で肩を組み「東海大の校歌でも歌うか!」。もう、楽しくて、仕方がない。菅野にとっては2年越しの夢でも、原監督にとっては23年越しの夢だった。
交渉権を得る瞬間まで、不安だった。ドラフト会場に到着すると「何も言わない」と硬い顔。1位指名の12番目、日本ハムの「大谷」がアナウンスされた。その瞬間、待ちに待った「巨人菅野」が実現した。原監督は、テーブルを囲んだ原沢GMらと固く握手を交わした。直後の会見には、目を充血させて現れた。
原監督
監督としてというよりもね、今日は身内のものとして、もう見守るしかないという状況の中でね。ただ、こういった結果になったというのは、決して遠回りではない。正しい時間を使い、そして今日を迎えられたというのは、彼にとっても、ジャイアンツにとっても最高の姿。
試合後はいつも勝負師の充血だが、この日はやや違う。親族として、おじとして、感激の充血だ。
原監督
おじとしてはね。いろいろ、何て言うかな、万感の思いはたくさんあります!
しかし、それをここで言ってしまうのもね。あとは、身内の中で、小さなプライベートのファミリーの中で、話をしたいなと思います。
大学では、ユニホーム姿も披露した。背番号は「19」。レンジャーズ上原の後継者だ。新人で20勝をマークした上原は、巨人ばかりではなく、日本球界を代表する右腕だった。原監督は前日24日、日本シリーズを前に「12球団で2チームだけが暴れることが出来る。それを誇りに戦えるのは、まさに異次元的な部分」と言った。かつての上原こそ、異次元的な活躍をしたエースだった。「19」は、まさに異次元的エースの誕生を期待してのものだ。
おじとおい。難しさも予想される。ただ、「チームを作る上では実力絶対至上主義ということ。これに変わりはありません」。この時ばかりは、監督の顔だった。【金子航】



