日本を代表するエースと、将来のエースの初対面が実現した。楽天ドラフト1位の桐光学園・松井裕樹投手(18)が8日、新人8選手とともにKスタ宮城を見学した。球団職員からプロ生活に向けての説明を受けていると、クラブハウスに田中将大投手(25)が現れた。憧れの先輩に、松井は「体が大きくて、オーラがすごかった。下半身の大きさとか、全然違いました」。体つき、醸し出す雰囲気、超一流の風格を目の当たりにした。

 予定になかった出来事だった。自主練習で球場に来ていた田中と、新人選手の球場見学の時間が重なり、急きょ対面することができた。田中からは「プロの世界に入って、いろいろ大変だと思いますけど、頑張ってください」とエールを送られ、握手もした。手の感触について松井は「すごく大きかったです」と話し、分厚い手や胸板、がっちりした太ももには「威圧感が違う」と感じた。身長174センチ、体重76キロで投手としては小柄だが、田中のような体になりたいかと問われると、「そうですね」と目を輝かせた。

 既に星野監督から来年2月の久米島キャンプで「1軍スタート」を公言されているように、即戦力左腕の期待が高い。この日、写真撮影ではKスタ宮城のマウンドに初めて上がった。シャドーピッチングを4度。「眺めは良かったです」と笑顔で振り返り、「プロ野球人生が始まるんだなと思いました。このグラウンドで早く活躍したい」。田中のようにでっかく育ち、エースの座を継承する。【斎藤庸裕】