<プロ野球ドラフト会議>◇23日

 中日は三菱日立パワーシステムズ横浜・野村亮介投手(21=静清)を単独1位指名した。今季投球フォームを一から見直し、制球力、球速ともに飛躍的に伸びた右腕。社会人で自信をつけ、1年目から先発ローテーション入りを狙う。

 竜から単独1位指名を受けた野村は、名前を呼ばれた運命の瞬間「頭が真っ白になった」という。その後、緊張した表情で会見場へ。「高く評価していただいてうれしい」。ようやく白い歯がこぼれた。

 静清(静岡)を卒業して「まだプロに行く自信がなかった」と社会人野球へ“武者修行”に出た。2年目までは苦しんだ。昨季は公式戦9試合に登板し防御率7・71と低迷。ドラフト指名が解禁となる3年目に向けて、シーズン途中から矢島崇投手コーチ(37)とフォーム改良に取り組んだ。ブルペンに入らずに体の使い方からを根本的に見直した。ワインドアップからセットポジションに変え、軸足に体重を乗せて重心を安定させた。高校時代から武器となっていた制球力に磨きがかかっただけではない。140キロ台前半だった球速は、最速149キロまでアップ。今季は防御率2・11と大きく飛躍。21日には日本代表「侍ジャパン21U」にも選出された。自信を付けてプロの門をたたく。

 谷繁元信兼任監督には「吉見みたいに何年も連続して2桁勝てる投手になってほしい」と期待を寄せ、野村も「その期待に応えたい」と返した。

 野村は目標とする選手に中日山井大介投手(36)の名前を出し「投球術などを教わって成長したい。先発ローテーション入りして、新人王を狙う」と力強く宣言した。【大野祥一】

 ◆野村亮介(のむら・りょうすけ)1993年(平5)7月9日、静岡・静岡市生まれ。小1年から飯田リトルジャイアンツで野球を始める。中学は清水飯田中で3年の時に全国中学総体出場。高校は静清(静岡)で11年のセンバツに出場。1回戦京都成章、2回戦日大三戦でいずれも3失点完投。夏は優勝候補に挙げれるも準々決勝で常葉学園菊川にサヨナラ負け。家族は父浩司(ひろし=48)母友美代、兄悠次(25)、健次(23)。187センチ、85キロ。右投げ右打ち。血液型A。