竜のドラ1右腕が申し分のない舞台でベールを脱ぐ。侍ジャパン21U代表に選出された中日ドラフト1位野村亮介投手(21=三菱日立パワーシステムズ横浜)が今日4日、巨人との練習試合に登板する。3日の同戦は出番がなかったが、ブルペンで31球を投げ準備完了。最大の武器フォークで空振りを奪うイメージを膨らませた。

 ベンチからオレンジのユニホームを見ると、野村は自然と闘志が湧き上がった。

 「1軍で出ている選手が多いですよね。マウンドに上がれば自分のできることをしっかりとやりたい。ゼロで抑えたい」

 松本哲、寺内、藤村、大田、小林…。21U代表として初めての実戦となった3日巨人戦。スコアボードにはテレビや新聞で知る選手がズラリと並んだ。今日4日も同レベル選手の出場が予想される。プロ入り前から同一リーグのライバルと対戦することに、思わず武者震いだ。

 ドラフト直後には調整不足も口にしていたが、試合前のブルペンでは独特のオーラを放った。1球ごとに捕手にミットの位置を指示。セットポジションから31球を投じた。谷繁兼任監督は指名直後「吉見みたいになってほしい」と話していたが、期待の言葉通り、ムダな動きをそぎ落とした大型の精密機械だ。

 武器は187センチから振り下ろす最速149キロの直球だけではない。持ち球はフォーク、スライダー、カットボール。投球練習でもっとも球数を割いたのは決め球のフォークだった。「今年からです。腕を思い切って振るようになってからフォークで空振りが取れるようになった」。高卒3年目のドラフトイヤーに急成長した21歳。変化球フォークが野村をドラフト1位へと押し上げた要因だった。

 今日4日の登板予定は1イニングだけ。フォークを投じる場面があるかは微妙だが、空振りを取る自信は、もちろんある。初めてのジャパンのユニホームでの実戦に「レベルが高いところで出来るっていうことがうれしいですね」と楽しみで仕方がない様子。中日首脳陣が1年目から先発ローテーションとして期待する即戦力が「G斬り」の予行練習に臨む。【桝井聡】

 ◆野村亮介(のむら・りょうすけ)1993年(平5)7月9日、静岡市生まれ。静清(静岡)で11年センバツに出場。1回戦京都成章、2回戦日大三戦でいずれも3失点完投。夏は静岡大会準々決勝で常葉学園菊川にサヨナラ負け。家族は父、母、兄2人。187センチ、85キロ。右投げ右打ち。