プロ入り3年目の広島前田健太投手(21)が、9日に行われた契約更改で2300万円増の4800万円でサインした。今季は初めて先発ローテーションを守りきり、先発投手の目安となる7回3失点以下の試合数もチーム一の16試合。8勝14敗と負け越したが、高く評価された。来季はこの自信を胸に、開幕投手を目指す。(金額は推定)

 会見場に姿を現した前田健は、満面に笑みを浮かべていた。「数字的には良くなかったですが、内容を評価してもらった。1年間しっかり投げられたしイニング数も含め試合をつくれた。先発ローテーションの一角として認めてもらえたと思います」。2500万円からほぼ倍増の4800万円に笑みがこぼれた。今オフから広島市内で一人暮らしを始めるため「アップ分で家具を買います」と笑った。

 昨季9勝を挙げ、今季は開幕から先発ローテを守って最後まで投げ抜いた。8勝14敗と大きく負け越してしまったが、チーム最多の193イニングを投げた。

 さらに、プラス査定になったのはその安定感だ。球団では先発投手の評価の目安を「7回3失点以下」としている。前田健は29試合の先発うち、実に16試合でこの数字をクリア。これは11勝したルイス(同12試合)10勝の大竹(同13試合)を上回る。登板した試合をつくるという先発投手に課された仕事、メジャー流でいえば「クオリティ・スタート」(6回自責点3以下に抑える先発投手評価指標)を1シーズンやり抜いたことが高く評価された。

 ただし倍増にならなかったのはやはり14敗してしまったためだ。前田健も「今季は接戦で競り負けていました。大事なところで点を取られることが多かった」と6つの借金を反省した。

 来季は逆に、競り勝つことでチームの貯金を増やすつもりだ。2ケタ勝利はもちろん、負け数をできるだけ少なくする。「体ができていないので、パワーをつけられるようにしたい」と話し、オフは地元大阪へ戻り、ランニングなどで下半身の強化にも努める。開幕投手の大役にも「すごい投手ばかりだが、やってみたい気持ちはある。まずは目標をそこに置いて臨みたい」と気持ちを新たに言い切った。コイの若き右腕が、来季さらにスケールアップする。【高垣

 誠】