ソフトバンクで球団史上初の3億円投手が誕生した。杉内俊哉投手(29)が24日、福岡ヤフードーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、7000万円アップの推定年俸3億円でサイン。ほおが緩み、うれしさで声も弾んでいた。「球団から満足いく評価をもらいました。15勝(5敗)しましたがそれ以上の評価でした」。初めて最高勝率のタイトルを取り、2年連続で奪三振王になったが、大台到達には成績以外の“特別査定”があった。

 交渉にあたった角田球団代表からは「貯金2ケタはすごい。WBCから調整が大変な中でチームに貢献したのは大きい。一番高い評価です」とエースとしての評価を下された。今でも「エースは和巳さん」と言ってはばからず、精神面を含めてを尊敬する斉藤は右肩のリハビリ中。交渉中に当初提示から3億円に増額されたのは“看板料”を盛り込んだためで、「エース杉内」が内外に示された格好だ。

 より大きな責任を任され、自覚も強まった。「投げる試合は全部勝ちたい。(先発機会が)26試合くらいなんで26勝したい」と自らハードルを上げた。開幕カードで対戦する日本ハムはダルビッシュが有力だ。「手ごわい投手ですが、投手を意識するわけでない。いかに点を取られないかを考えて投げます」と来年の3月20日に思いをはせていた。【押谷謙爾】