ソフトバンク松中信彦外野手(36)が7年契約の5年目となる来季交渉に臨み、1億円減の4億円プラス出来高払いでサインした。(金額は推定)

 

 松中は1億円大幅ダウンを受け入れ来季の巻き返しを誓った。「実際に成績は落ちているし優勝もしていない。ダウンというのは当然頭にあった」。右ひざと左ひじの手術のためCSは無念の欠場。今季、誰よりも悔しさを味わった主砲は「来年頑張るしかない。来年取り返すという気持ち」と語気を強めた。

 05年オフに、基本年俸5億円プラス出来高払いで7年契約。4年目までは固定年俸制で、残り3年については基本年俸が再検討される契約となっていた。「4年間トータルの中での評価だと思う。4年間頑張ってきたけど、30本は1回も越えていないし100打点もいってない」。04年には3冠王、続く05年には46本塁打と121打点で2冠を獲得。しかし、その後はひざ痛の影響もありタイトルは06年の首位打者だけ。「2年間はケガとの戦いだったし、自分に腹の立つ4年間だった」と悔しさをにじませた。

 自分のため、子供たちのために来季は必ず活躍してみせる。「今年は(腎臓疾患を抱える)次男の頑張る姿に助けられた」。次男は現在も通院して闘病生活を続けている。「子供の病院に行って(野球を)観戦したくてもできない子供たちがたくさんいることが分かった」と、主砲は自身の成績のこととは比較にならないほど熱く話した。

 重病の子供たちが何とか試合を観戦させたい一心で、来季は福岡ヤフードーム内の貴賓室であるスーパーボックスを1室(最低価格700万円)を自費で買い切る計画を立てている。球場内での案内なども含めた具体的な内容を現在球団と交渉中。「息子のためにも、家族のためにも頑張って優勝したい。家族で優勝旅行へ行きたい」。心優しきパパが、相手投手の前では鬼となり来季は子供たちへ多くの夢を与えるはずだ。