あと1歩のところで日本一を逃した中日が契約更改で「信賞必罰」の厳しい姿勢を打ち出した。19日、朝倉健太投手(29)、小笠原孝投手(33)と実績のある2人に対し、野球協約の定める減額制限いっぱいの25%ダウンを提示した。

 朝倉の契約交渉はわずか2分足らずで終わった。昨季10勝を挙げた右腕も今季は腰痛などに悩まされて3勝6敗に終わった。球団側から提示されたのは9500万円から25%ダウンの7125万円。「思っていた通り、厳しかったですが、結果を残せなかったのは自分ですから。つらい1年だったんで来年こそ見返したい」。悔しさを胸に秘めながら、潔くサインした。

 小笠原も厳しい現実を突きつけられた。昨季の7勝から今季は1勝3敗に終わり、提示されたのは年俸5200万円から1300ダウンの3900万円。「納得はしていませんが、何もしていないので。自分が悪い。情けない」とあっさり白旗を揚げた。

 「これまでは温情によるアップなどがあったが、それをやめようということ。球団幹部の合議で決めたこと。人によっては40%、50%ダウンでもいい人もいる」

 今原球団代表補佐は球団の方針をこう説明した。すでに更改した川井も先発陣に入れず、25%のダウン。優勝に貢献した主力の更改はこれからだが、情を一切排除した査定が選手たちを待っている。(金額は推定)【鈴木忠平】