侍ジャパンのためならツメの1枚や2枚をささげる覚悟がある-。巨人村田修一内野手(32)が15日からの日本代表候補合宿を控えてオフ日の12日、思いの丈を激白した。9日の練習で右手中指のツメを割り、全治1カ月の負傷。現状で当落線上の状況がさらに悪化し、前回WBCの4番打者が落選の屈辱を味わうリスクもある。だが辞退の2文字は村田の辞書にはない。

 村田

 辞退なんて一瞬も考えなかった。どうしても日本代表に入って戦いたい。それぐらい僕にとって日の丸は特別な存在なんです。そのためならツメの1枚や2枚はなくても野球はできる。それを証明して見せます。僕は本気ですよ。

 村田の代表人生には困難がつきまとってきた。08年北京五輪直前の合宿では風邪をひいて入院。4番で開幕した大会中は極度の不振で先発から外れた。09年WBCは右太もも裏肉離れで途中帰国となった。そして今回も誰よりも調整ペースを上げて準備を続けてきたが、災難が降り掛かった。

 村田

 正直、落選するリスクも高まったと覚悟している。前回のWBCでも合宿で候補から落選した選手を見て、その悔しさも肌で感じている。でも僕はそれでも日本の男として世界で戦って自分自身の生きざまを見せたい。過去2回の国際大会は自分の中では不完全燃焼。その悔しさもある。取り返せる舞台は今回のWBCしかない。

 ツメの真ん中が割れ、肉も見えている状態。医者からは「くっつくまで1カ月。投げるのも投げないのもあなた次第」と言われたほどだ。だが村田が欲しいのは世界で戦う挑戦権、そして世界一の称号だけだ。【広重竜太郎】