<WBC日本代表合宿>◇第2日◇16日◇宮崎
“主演男優賞”は中田翔外野手(23)だった。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補の宮崎合宿2日目。フリー打撃では56スイングでチームトップの9発。ホームランボールを追いかけ、左翼席にファンが密集。まさに中田1人の“ショータイム”だった。この2日でアピール度合いは上々。今日17日の広島との強化試合(サンマリン宮崎)は「7番左翼」での先発が予想され、実戦で“1発回答”を勝ち取る。
中田の度肝を抜くパワーに向けられた、最大級の賛辞だった。フリー打撃が終わった瞬間、スタンドから拍手が起こった。周囲にも促され、少し照れながら、バットを持った右手を掲げた。「バッティングが終わってからの拍手はびっくりしたけど、うれしかったです」。観衆約1万9000人のハートをギュッとつかむ、圧巻の“ホームランショー”だった。
注目度の高さを物語ったのは、外野席に陣取ったファンの姿だった。中田が打席に向かった瞬間、左翼席周辺に集合。1ターン目は28スイングで0本だったが、2ターン目は28スイングで9本の柵越え。両翼100メートルと広く、この日は右打者にとって逆風の悪条件だったが、次々とスタンド中段にぶちこんだ。「(ファンの密集は)うれしかったですけど、子供も多かったので危ないなと」。父親の一面をそっと見せるあたりも、心憎かった。
代表合流直前は当落線上ともみられたが、その評価は上昇カーブを描く。本塁打は形勢を一気に変える魅力を持つが、中田はその武器を惜しげもなく、披露する。巨人坂本は右方向中心の打撃で2ターン目は31スイングで1本の柵越え。この時期は選手個々でテーマを持ち、打撃フォームを確認しながらバットを振る選手が多数を占める中、豪快なフルスイングで、レギュラー候補に躍り出た。
山本監督は「よく飛ばすね。あれだけ飛んでいるんだから」と評価。今日17日の広島との強化試合に向け「(中田は)スタートで考えています。(最初は)レフト、(途中から)ファーストで」とスタメン抜てきを示唆した。それでも、中田は「自分はボーダーライン。一生懸命やって、自分のやってきたことを試合で出せれば。自分らしくやる」と気を引き締めた。
貪欲な姿勢は、チームを活気づける。この日のシートノックでも、左翼と一塁で練習。「その分チャンスが広がる」と話す。打撃練習中は立浪打撃コーチや内川ら先輩選手の打撃論を積極的に吸収。「こういう機会はないですから。聞きたいことがあれば、どんどん聞きたいです」と意欲的に話した。若き侍がギラギラ感全開で、代表入りの切符をつかみ取る。【久保賢吾】
◆中田驚異の飛距離
同じサンマリンスタジアム宮崎でキャンプを張る、巨人の飛ばし屋と比較する。村田は4日のフリー打撃、特打で44スイングで9本。長野は2日、フリー打撃の44スイングで6本。大田も同日58スイングで4本だった。統一球とWBC球の違い、練習で求めている打撃内容の違いがあり一概に比較できないが、28球で9本柵越えした中田の本塁打率は群を抜いている。



