WBC日本代表の中田翔外野手(23)が、人知れず“修羅場”をくぐり抜けていた。前日20日、最終メンバー入りを決めてホッとしたのもつかの間。首脳陣や選手、スタッフが集まって宮崎市内で行われた決起集会で“試練”に見舞われた。焼き肉店で一緒のテーブルになったのは山本監督、最年長メンバーの稲葉、主将阿部とこれ以上ない強力トリオ。「あれが一番緊張しました…」とポツリとつぶやいた。

 182センチ、95キロの巨漢を縮めた。とにかく肉を焼く。そしてドリンクを作る。レア?

 ミディアムレア?

 焼き加減も気がかりだ。もちろん、トークもおろそかにはできない。代表候補合宿が始まる前に「荷物運びとか、絶対にやんないよ。年下だからって周りに気は使わない」と宣言していたが、いかんせん相手が悪すぎた。想像を絶するプレッシャーがかかる“戦場”で戦い抜き、侍戦士としてまた一皮むけた。

 宮崎合宿最終日の21日は、前夜の焼き肉店での相棒トングをバットに持ち替え、フリー打撃では快音を連発。今度は打って変わって「(日本ハムキャンプ地の)沖縄に帰る準備をしてたんですけど、信じられない。相手がビビるぐらいのスイングをしていきたい」と強気に宣言した。バスに乗り込む直前には「テンションが上がってきてます!」とニヤリ。WBCに勝るとも劣らない緊張感を味わい、もう心の準備は万端!?【佐井陽介】