<WBC:日本16-4オランダ>◇10日◇2次ラウンド1組◇東京ドーム
決勝トーナメントもマエケンにお任せ!
右肩不安から復調した前田健太投手(24)が、強打のオランダを5回1安打無失点、9奪三振と圧巻の投球を見せた。直球とスライダーの切れがさえ渡り、4番バレンティン(ヤクルト)5番ジョーンズ(楽天)を2打席連続三振でねじ伏せた。山本監督から準決勝で起用する方針を明言されると、「僕に任せてください」と頼もしく誓った。日本の柱として3連覇を目指す。
前田健がお立ち台に上がる直前だった。先にヒーローインタビューに答える山本監督が「素晴らしいピッチングだった。準決勝の初戦に先発させるつもりでいます」と早くも予告。前代未聞の指名に、観客が沸く。お立ち台の締め、前田健は「監督の言葉を受けて…。決勝ラウンドも僕に任せて下さい」と応じて、覚悟を決めた。
余裕すら漂わせ、マウンドで躍動した。得点を重ねるごとに、ギアを上げる。キューバを破ってきた強力打線を上から見下ろすかのように、スコアボードに0を並べた。オランダ打線の中核を担うのはバレンティン(ヤクルト)、ジョーンズ(楽天)の強打者。怪力コンビを封じることが、攻略のカギだったが、その壁を真っ向からねじ伏せた。2回、バレンティンを直球で見逃し三振。ジョーンズは142キロ直球で空を切らせた。2打席目はともにスライダーで空振り三振。得点源を失った重量打線は、牙を抜かれたライオンだった。
「プレッシャーがないとやっていけないです」。重圧を力に変え、進化を遂げてきた。宮崎合宿中の右肩痛騒動の時もそうだった。騒ぎ立てられ、逃げたくなるものだが、堂々と報道陣の前に立ち「大丈夫」と繰り返した。自らの言葉で退路を断ち、実現するのがマエケン流。「大丈夫と少し強気に言ってきたけど、今は自分の中で確信があります。大丈夫」。不安から逃げず、立ち向かえる強さを証明した。
ちょうど2カ月前、初のハワイ自主トレ中に観光名所のダイヤモンドヘッドを訪れた。約30分の山道を歩き、山頂から見下ろす太平洋を前に誓った。「世界一になる」。5回1安打無失点、9奪三振をマークする圧巻の投球で、その扉をまた1枚こじ開けた。山本監督は「あと2試合やから。その初っぱなをマエケンに託す」とあらためて明言した。3連覇のかかる大一番にマエケンが、どっしりと構える。【久保賢吾】
▼先発の前田健がオランダから9奪三振。9奪三振は06年上原(準決勝・韓国戦)と09年松坂(第2ラウンド・キューバ戦)の8奪三振を抜いて1試合の日本人最多記録。WBCの大会最多記録は09年第1ラウンドでドミニカ共和国のウバルド・ヒメネスがオランダから奪った10。前田健は1差に迫る快投だった。



