WBC日本代表の田中将大投手(24)が11日、東日本大震災への思いを語った。震災が風化することを危惧するとともに、さまざまな支援を継続していくことを約束。侍ジャパンのメンバーとして、WBC3連覇で、明るい話題を届けることを誓った。2日の1次ラウンド初戦のブラジル戦後はリリーフで登板してきたが、米サンフランシスコで19日(日本時間20日)に行われる決勝戦で先発する可能性が出てきた。

 言葉を失ったあの日から2年が経過した。侍ジャパンのユニホームを着た田中は、前をジッと見つめ、一言一言に心を込めて思いを語った。

 田中

 あらためて、3・11でお亡くなりになられた方に、お悔やみ申し上げたいと思います。

 目の奥には、自らの目で見てきた被災地の様子が映ったのだろうか。寂しげな表情で、冥福を祈った。

 今日12日の2次ラウンド1組の1位決定戦に向けて東京ドームで行われた自主練習。開始時間の午前11時、山本監督、主将阿部ら参加した全メンバーが円陣を作った。約1分間、輪の中で田中も黙とうをささげた。この2年、東日本大震災の支援について考えてきた。同い年の巨人坂本、広島前田健らで88年会を結成。1月には仙台市内でイベントも開催した。今、何を思うのだろうか。

 田中

 僕たちは普通に生活できていますが、まだ(震災)前の生活に戻れていない方がたくさんいる。風化していくことが一番怖いことだと思う。88年会でもやらせていただきましたけど、そういった活動など、僕たちができることをやっていきたいです。

 震災直後は、震災の件については沈黙を通していた。「何と言ったらいいのか、分からないのです」。正直、言葉が出てこなかった。両親の名義で、人知れず義援金を送った。支援の形はさまざまだが、田中は今、与えられた使命を感じている。「今こうしてここに集まっていて、日本全体に野球で話題を届けられればと思います」。“世界一”を念頭に語気を強めて、責任感をにじませた。

 大役が巡ってくる可能性が出てきた。1次ラウンド初戦のブラジル戦の先発後は、リリーフに回ったが、投げるごとに復調をアピール。決勝で先発する可能性も浮上している。山本監督は準決勝を前田健に託すことを明言したが、それ以降について「マエケンだけで勘弁してや」と煙幕を張った。「僕自身、できることをやる」。あの日から2年。田中が米国から強烈なメッセージを発信する。【久保賢吾】