<WBC:日本10-6オランダ>◇12日◇2次ラウンド1組◇東京ドーム

 「いい報告ができるように。行ってきます!」。田中将大投手(24)はスッキリと米国行きの飛行機に向かった。5回から3番手で登板。7番からのオランダ下位打線を3者凡退、空振り三振を2個奪って終えた。「気持ちの面で、入れすぎずにいこうと。シーズン同様に出来ました」と落ち着きがあった。WBC登板4試合目で初めての無失点に「ホッとしました」と正直だった。

 山本監督は、田中の決勝戦先発について「十分に(可能性が)ある。そんなに、言わせないでよ」と前向きなコメントをした。本人は「優勝しかない。そのため、自分は何が出来るか。準決勝、決勝と楽しんで。自分のプレーをしたい」と前向きだった。

 強打者が居並ぶ2次ラウンド2組の打者について「変な先入観を持ってもよくないんで」と、まだ強く意識していない。ただ、AT&Tパーク特有の形状が、強い味方となる。マリナーズで活躍した佐々木主浩氏(45=日刊スポーツ評論家)は「左翼側が極端に深い。右バッターの本塁打、長打は、コントロールミスの場合を除いて、ほとんど考えないでいい。精神的に優位に立てる」と指摘する。米国の中軸はブラウン、ライト、スタントンと迫力があるが、みな右打者だ。ドミニカ共和国のエンカーナシオンに、プエルトリコのモリーナ。各国とも、ポイントゲッターに軒なみ右打ちをそろえている。

 田中のこの日の登板は、十分な予行演習となった。先頭で迎えた7番ボーハールツは飛距離が自慢の右打者。直球、緩いカーブを外角にそろえ、簡単に追い込んだ。最後も外角、低めのワンバウンドにスプリットを落とし、振らせた。8、9番も右打者だったが、外角への投球を徹底して抑えた。「追い込んでから低めへ。良かったと思う」と納得した。心技体を、そのままサンフランシスコへ持ち込んでいく。【宮下敬至】