日本野球機構(NPB)井原敦事務局長は2日、日本ハム大谷翔平投手(22)が、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に投手としての出場を断念した経緯について説明を行い、「球団とNPBとの間で、連絡の行き違いがあるのは確か」と話した。

 井原事務局長によると、1月末に日本ハムから連絡を受けた点は3点あった。

<1>右足首の状態が悪く、調整が難しくなっている

<2>投手としてコンディションを100%に持って行くのは難しい

<3>打者としては、今後の進み具合で可能性はある。

 連絡は井原事務局長を含めた複数の担当者が電話などで取り、<2>の中では、日本ハム側から投手に関しては「辞退」という言葉が出ていたという。

 その上で、同事務局長は「こちらとしては、キャンプに入って、細かい情報が来ると思っていた。(前日に)会見をするという認識もなかった。キャンプは別メニューでやって、調整が遅れるものと考えていた」と説明。あらためて連絡を取り合っていくという認識の中で、日本ハム側による、大谷の投手断念の発表があったという。

 1日には、侍ジャパンの小久保裕紀監督(44)が「今日突然の発表だったので、詳細はまったく把握していない状況」と困惑し、混乱が起こっていた。井原事務局長は「小久保監督が昨日の会見で驚いたと言っていたが、驚いたというのは、日本ハムが会見で辞退まで話すとは思わなかったことに、驚いたということです」と説明した。

 同事務局長は「日本ハムの方も、大谷君のことを思ってのこと。キャンプで別メニューをやっていると詮索される。負担を軽くするということもあったのでしょう。発表したことに対しては理解はしている」と言い、「これから(メンバー)28人、投手13人をどうするか。変更を含めて、検討を早急に進める。投手辞退とか、そういう表現ばかりが先走っていますが、NPBとしては大谷君の選手としての将来を含めて考えていかないといけない」と、日本ハム側とコミュニケーションを密に取っていく考えだ。