好機を逃さない。もってる侍だ。中日平田良介外野手(28)が8日、北谷キャンプを視察した侍ジャパン小久保裕紀監督(45)の前で「満塁弾」をぶち込んだ。シート打撃で無死満塁の好機。「意識はあった」と侍指揮官の視線を受け止めると、伊藤の2球目140キロを強振。低い弾道で右翼席に運んだ。

 直前まで小久保監督はブルペンで岡田の投球を見ていた。平田は1打席目は右飛。2打席目も視察は望み薄かと思われたが、打線がつながっている間に、スーツ姿の小久保監督が球場に到着した。打ったのはそのわずか3分後だった。

 「いい感じに打てました。ケースもチャンスだったし、いいアピールができたと思う。反対方向への本塁打は1つの課題としているので、実戦形式で出てよかった」と胸を張った。小久保監督からは「偶然に見られてよかった。短期決戦で集中力が出るのがいい部分。球への執着心がある」と評価された。

 15年のプレミア12では全8試合に出て4割2分8厘、6打点と勝負強さが際立った。昨季も打率2割4分8厘と極度の不振だったが得点圏打率は3割5分3厘。チームトップの73打点とチャンスに強い。現状は外野の控えだが「スタメンで出たい。そのために結果を出したい」と気合満点。クラッチぶりで、侍ジャパンのジョーカーになるかもしれない。【柏原誠】