裏方がまた1つ、日の目を見る機会ができた。今場所の大相撲パンフレットで初めて、正式に呼び出し、床山、弓取り式の紹介ページが設けられた。これまでは昇進した行司だけが東京場所と地方場所で各1度ずつ載っていたが、協会担当者は「ほかにも裏方さんの仕事はある。より相撲界のことを知ってもらえたら」と新しい試みを説明した。
実は最上位の特等床山の床安(64=出羽ノ海)の提案だった。ファンの意見を契機に「行司だけが載るのはどうか」と協会に申し出たという。床山はまげを結う仕事。目立つことはないが、仕事は関取優先。人によっては時間を指定され、自宅に出向くこともある。時計を見ながら忙しく動き回る。それだけ時間に拘束されることが多い。床安の意見は「裏方全員がいて、初めて取組が成立する」。陰の努力が1つ報われた。
行司や呼び出しは十両以上、床山は一等以上が掲載された。仕上がりを見た床安は「いいねえ。よく出来てる」。13年夏場所で特集されて以来となる弓取り式を務める聡ノ富士(伊勢ケ浜)も「知ってもらえるのはいいこと。注目されるので気が抜けませんね」と笑顔を見せた。今後も続くかは未定だが、裏方の明るい未来を願う。【桑原亮】


