大砂嵐の休場で、大忙しになった人がいる。協会内で懸賞を割り当てる樋口啓之さん(43)は朝9時に出勤すると、若者頭から「大砂嵐がヌキだ」と一報を受けた。ヌキとは休場のこと。不戦になれば懸賞はもらえないため、この日最多40本が懸かっていた白鵬-大砂嵐戦の懸賞を再配分する作業が、慌てて始まった。

 「40本も組み替えたのは初めて」と樋口さん。不戦時の場合に懸け替える力士を決めている会社もあるが、未定の社もある。急いで連絡すると、日曜で不通のところもあったそうだが「4社に連絡できました」。懸け替え連絡後も懸賞袋を作り直し、賞金3万円も詰め直し…と仕事は続き、午後2時まで休む暇はなかった。

 土俵で回る懸賞幕を1時間かけて準備し直したのは、序二段呼び出しの直起(24=木瀬)だ。「見直しながらやったので、大変でした」と汗を拭った。

 結局23本が他の6取組に懸け替え加算され、17本が取りやめに。そんな中「結び前の一番に」との指定で9本が加算され、計25本(75万円)懸賞が付いたのが琴奨菊-豊ノ島戦。勝った豊ノ島は「携帯ゲームにめっちゃ課金できるやん」。中日の臨時ボーナスに、大喜びだった。【木村有三】