WBA世界フライ級3位の井岡一翔(25=井岡)が「ギネス王者」を目指して、3階級制覇に再挑戦する。2日、WBA世界フライ級王者フアンカルロス・レベコ(31=アルゼンチン)と4月22日に大阪・ボディメーカーコロシアムで対戦することを発表した。18戦目で3階級制覇達成なら世界最速で、陣営はギネス記録申請を視野に入れる。井岡も「必ず世界王者に返り咲く」と必勝宣言した。

 待ちに待った3階級制覇再挑戦が決まった。プラダの高級スーツを着て現れた井岡は「何が何でも、このチャンスを逃さないつもりで取りにいきたい」と、並々ならぬ決意を口にした。相手はWBAフライ級王座を暫定も含め8度防衛中のレベコ。35勝1敗でKO負けなしの強豪だが、「必ず勝つという自信しかない」と言い切った。

 ギネスブックに名前を刻む可能性も出てきた。次戦が18戦目になる井岡が勝てば、20戦目のジェフ・フェネク(オーストラリア)を上回り世界最速の3階級制覇。叔父で西日本ボクシング協会会長の弘樹氏は「ギネスに申請します。もう話はしている」と明言した。

 昨年5月にIBFフライ級王者アムナトにプロ初黒星を喫し、最初の3階級制覇挑戦は失敗。その後、ノンタイトル戦を2試合こなし、足を使って「打って打たせない距離」を体に染みこませた。「今はイメージと体が一体化してる」と自身の成長を感じている。

 一法会長は「KOで決着をつけたい」ときっぱり。井岡も「3階級のドアは重いけど、カギは掛かってないと思う。必ず壁を打ち壊す。必ず世界王者に返り咲きたい」。屈辱の無冠時代に、その拳で終止符を打つ。【木村有三】

 ◆世界最速3階級制覇 ジェフ・フェネク(オーストラリア)の20戦目。フェネクは85年4月に7戦目でIBFバンタム、87年5月に16戦目でWBCスーパーバンタム、88年3月に20戦目でWBCフェザー級王座獲得。日本唯一の3階級制覇達成は亀田興毅で25戦目。