WBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司(30=帝拳)が破壊力ある左1発で仕留めた。2階級制覇を狙った同級6位ビリー・ディブ(29=オーストラリア)と対戦。1、2回は足を使われたが、3回にコーナーに追い込んで左ストレートをさく裂。ディブはポストに挟まれその場でダウンし、続けざまの連打は不要の3回1分29秒TKO勝ち。3連続KOで4度目の防衛を果たした。次戦はV1戦以来の海外で、いよいよ米国進出を狙う。

 破壊力満点のワンパンチKOだった。三浦は3回に相手をコーナーへ追い込んだ。あらん限りの力を込めた左ストレートを顔面に見舞う。ディブはポストに打ち付けられ、その場に沈み込む。三浦はさらに右、左の連打も、すでに勝負は決まっていた。立ち上がったもののフラフラ。世界戦自己最短の3回で仕留めた。

 「最高です。ガッツリと来て、抜ける感じ。1発でいったなと。今までで一番のKOシーン」。入場時は「リングでは人が変わる」と殺気だった目つき。それが会心のKOに無傷の顔に笑みを浮かべ、次々と喜びを口にした。

 ディブは2階級制覇を狙う44戦目のベテラン。1、2回は足を使ってポイントを奪われた。三浦は「コーナーに詰めていくだけ」と作戦通りにプレスをかけた。「ジワジワと中盤からと思った」が1発で沈めた。世界戦では過去10度ダウンを奪ったが、最初のダウンで仕留めたのは初。「激闘が多かった。1発で決めたかった」願いもかなえた。

 世界戦では4つ目のKOで、日本の世界王者では歴代8位で輪島、勇利、ナザロフ、井岡一に並んだ。世界戦KO率は66・7%で単独3位。4度以上防衛王者はのべ26人で、内山の80%、山中の77・8%に次ぎ、具志堅の60%を抜いた。

 WBA王者内山が6日にV10戦を迎える。三浦は世界初挑戦で敗れ、2団体統一戦が期待された。今回は両陣営の対決への機運が高まったが、テレビ局を含めた交渉で合意しなかった。次戦はWBO王者マルティネス(プエルトリコ)との統一戦が浮上。「海外で強い相手とやりたい」。ひげを蓄えた風貌は野武士のよう。今度は本場米国に左の強打で斬り込んでいく。【河合香】

 ◆三浦隆司(みうら・たかし)1984年(昭59)5月14日、秋田県山本郡三種町生まれ。金足農時代に 国体ライト級優勝。アマ戦績34勝(22KO)6敗。03年に横浜光からプロデビュー。09年に3度目の挑戦で日本スーパーフェザー級王座獲得。4度防衛。11年にWBA同級王者内山に挑戦も8回TKO負け。半年後に帝拳移籍。13年4月にWBC世界同級王座獲得。169センチの左ファイター。家族は中学の同級生彩美夫人と1男1女。