「世紀の一戦」と注目を集めたWBA、WBC、WBO世界ウエルター級王座統一戦が行われ、5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(38=米国)が6階級制覇のマニー・パッキャオ(36=フィリピン)に勝利した。ファイトマネーの合計が330億円以上ともいわれる空前のメガファイトを3-0の判定で制し、デビューからの無敗記録を48に伸ばした。

 最終12回、残り10秒。勝利を確信したメイウェザーが右拳を突き上げた。4回に左でぐらつかされるなど、序盤は相手の鋭い踏み込みに苦しんだ。だが、そこからが真骨頂。華麗なフットワークと鉄壁のブロックで決定打を許さず、ジャブとカウンター狙いでポイントを重ねた。3本のベルトを手にすると「私は頭を使ってやるべきことを完遂した」。すがすがしい表情で、スポーツ史に残る「宴(うたげ)」を締めくくった。

 パッキャオがウエルター級に階級を上げた09年以降、何度も対戦がうわさされてきた両者。防御のメイウェザーと攻撃のパッキャオ。2月に試合が正式決定すると、長年試合を心待ちにしてきたファンは熱狂した。チケットはプレミア化し、リングサイドの席が3000万円で取引されたとも伝えられた。会場にはNBAのマイケル・ジョーダン氏や歌手ビヨンセら多くのVIPも集結。世界的なイベントとして空前の盛り上がりを見せた。

 総収入が4億2000万~4億4000万ドル(約504億~528億円)ともいわれる「世紀の一戦」は、大方の予想通りの結果で幕を閉じた。96年のデビュー以来の連勝を48に伸ばしたメイウェザー。「MONEY(金の亡者)」の異名を持ち、一夜にして216億円を稼いだ男には、勝ちに徹した試合運びに大きなブーイングが飛んだ。それでも、「全階級を通じて最強」の称号は頂上対決を制したことで、より強固なものとなった。

 9月に行われる次戦はテレビ局と結んだ6試合契約の最後となり、その後は引退する可能性が高い。勝てば1940~50年代の伝説のヘビー級王者ロッキー・マルシアノ(米国)に並ぶ49戦全勝の記録がかかる。「偉大な選手たちを尊敬するが、自分が史上最高だ」。メイウェザーがまた新たな伝説を作った。

<世紀の一戦メモ>

 ▼テレビ中継 試合はパッキャオと契約するHBOと、メイウェザーと契約するショウタイムが同時中継。ライバル局が手を組んでの中継は02年のルイス-タイソン戦に次いで2度目。

 ▼PPV 視聴ごとに課金されるPPV(ペイ・パー・ビュー)の価格は、史上最高の89・95ドル(約1万800円)に設定され、これまでの最高だった13年のメイウェザー-アルバレス戦の64・95ドル(約7800円)を大きく上回った。契約件数は過去最高の約300万世帯に上るとみられ、約3億ドル(約360億円)の収益が見込まれる。

 ▼チケット 1万6000席が用意されたが、ほとんどは関係者用。一般向けに発売されたのは500枚で、1分で完売。

 ▼ビッグマネー スポンサー料は1300万ドル(約15億6000万円)、入場料収入が7500万ドル(約90億円)などと報じられている。

 ▼有料計量 前日計量は異例の有料公開。10ドル(約1200円)のチケット1万1500枚が完売。会場の外では10倍の100ドル(約1万2000円)で取引された。