王者藤本京太郎(30=角海老宝石)が初防衛に成功し、陣営は8月にも世界初挑戦をぶち上げた。同級1位ヘルマン・パーセル(22=オーストラリア)と対戦。中盤からワンツーで攻勢になると、相手セコンドがタオルを振って棄権を申し出て、9回1分22秒TKO勝ちとなった。

 序盤は慎重な戦いで手数が少なく、4回の公開採点では1-0だった。さらに5回には大振りの左フックをもらって腰を大きく落とした。6回からは積極的に攻勢に出て、ワンツーで的確に相手の顔面をとらえる。相手は空振りが目立って守勢となり、藤本が9回にクリーンヒットさせると、セコンドがエプロンに上がってタオルを振ってストップとなった。

 アジア太平洋王座決定戦も兼ねたダブルタイトル戦だったため、藤本はこれで日本とベルト3本保持となった。ダウンも奪えずに、5回にはクリンチでしのぐ冷や汗もかいた。「ベルトを三つ持っても情けない試合。世界も見えてきたのでKOしたかった。相手のリズムに合わせてしまった。しくった」と平謝り。報道陣には「記事は甘めでお願いします」と頭を下げた。

 それでも陣営は次戦で世界挑戦にゴーサインを出した。萩森マネジャーは「8月か9月に挑戦させたい」とリング上でも宣言した。今回は6日にWBO王者ジョセ・パーカー(25=ニュージーランド)と対戦寸前までいった。結局パーカーはスパーリング・パートナーと対戦で初防衛した。

 萩森マネジャーは「王者は東京に乗り込んで1回KOだと言っている。今イチの内容だったので、可能性も高くなったのでは」と真顔で言った。藤本は「いい感じでは来ている。メンタルを強くしていきたい」と話した。