<プロボクシング:フェザー級4回戦>◇4日◇東京・後楽園ホール

 東大出身の現役弁護士ボクサー坂本尚志(29=帝拳)が、プロデビュー戦を制した。大高浩輔(21=新日本木村)と対戦。1回残り12秒に右フックを浴びてダウンを喫したが、2回以降に猛反撃。効果的に左ジャブを当てて主導権を握ると、右フック、ボディーブローで積極的に攻め続け、判定2-1で初勝利した。

 学校をサボりがちだった高校2年時に、心配した母親が知人の指導者に相談してボクシングと出会った。東大進学後もボクシング部に所属し、アマ戦績15勝15敗。06年に司法試験に合格、09年末に弁護士登録、昨年2月に刑事事件の担当弁護士として法廷デビューした。坂本は「僕にとっては弁護士もボクシングも自己実現、自己表現の場として必要なこと。華々しくKOデビューしようと思っていたけれど、プロの厳しさが分かりました」とホッと表情を和らげた。新人王のタイトルを目指し、自分自身が納得できるまでリングに立ち続けるつもりだ。